量り売りで新鮮なクラフトビールが自宅で楽しめる「グラウラー」って何?

下北沢『TAP & GROWLER』

「いずれ自分のブルワリーを持ちたい」と語る店主の金井圭司さん。そのための足掛かりとして下北沢に昨年オープンしたのが、角打ちもできるこちらのクラフトビールの量り売り専門店。タップリストには常時、国産18種類と海外産1種類の銘柄が揃うお店です。

 そんな金井さんのこだわりのひとつがカウンター奥に並ぶ、なんとも近未来的な充填機。実はこちら、ビールの泡を立てすぎず、かつ炭酸が抜けないようにしてくれる優れモノ。さらに、液体が瓶の内側の壁を螺旋状に伝い、底に滑らかに着地するように、肩幅が張ったグラウラーを採用しています。

店主の金井さん
店主の金井さん

 他にも「キンキンに冷えた泡のあるビールが好き」という理由から通常約8度の温度設定を5度にしていたり、窒素ガスを配合させてクリーミーな泡を作ったりと、どこまでも自分好みのビールを探求し続ける金井さん。その想いのこもった一杯を角打ち(1杯600円~)で味わえば、「続きは自宅で」と持ち帰りたくなること間違いなしです!

 こちらがクラフトビールの本場、アメリカで主流の充填機。瓶内を窒素と二酸化炭素で充填することで、ビールの酸化を防ぐことが可能になっているのが特徴です。

 これが持ち帰りのグラウラー(1850円)。アメリカより輸入しているため、価格は入荷タイミングで変動します。32oz(約1000ml)。キャップは別売り30円。その他、花見やキャンプに最適なステンレス製のグラウラーも販売されています。

●SHOP INFO

TAP&GROWLER

店名:TAP&GROWLER

住:東京都世田谷区北沢2-33-6 飯嶋ビル1F
TEL:03-6416-8767
営:18:00~24:00、土・日・祝15:00~24:00
休:不定休

恵比寿『Liquor Shop NIGHT OWL』

 角打ちではなく、有料試飲。じっくり対峙するには程よい量を、ビールの味や香りに合わせて6種類のワイングラスを使い分けて提供してくれます。大量生産していない、珍しい銘柄を多く仕入れているからこそ、しっかり試飲をして気に入ったものを買ってもらいたいと、マネージャーの小菅一範さんは話します。

 店内で存在感を放つのが、樽を丸ごと収納した冷蔵庫。側面に繋がれた6つのタップのうち、クラフトビールは4つ。残りはシードルとワインで、いずれも量り売りしています。自らの店を「酒のセレクトショップ」と評する小菅さん。「クラフトビールの味わいや魅力はワインにだって負けていない。地位向上のために貢献できれば」と、ビール愛を滲ませます。恵比寿の雑居ビルの奥に広がる隠れ家空間に、客が足繁く通いたくなる理由が窺い知れます。

 ビールは国内外問わず、約50種類をラインナップ。その他、希少なお菓子や缶詰めも販売しています。

 左はグラウラー専門メーカー製の約24時間保冷可能な二重構造ステンレスタイプ(750ml、5500円)。カラーはオレンジと紺の2種類。右は店のロゴ入りのガラス製オリジナルグラウラー。飲みきりやすいコンパクトなサイズ(750ml、700円)で、持ち運びにも便利。

●SHOP INFO

Liquor Shop NIGHT OWL

店名:Liquor Shop NIGHT OWL

住:東京都渋谷区恵比寿1-8-3 恵比寿リバーストーンハイム103号
TEL:03-6277-3743
営:14:00~21:00、土・日・祝12:00~20:00
休:不定休

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 これからの季節、レジャーにもぴったりな量り売りビール。好きな場所で新鮮なビールの味に酔いしれてみてください。

(文◎尾崎 愛 撮影◎原 務)

※当記事は『食楽』2019年夏号の記事を再構成したものです