1日1,000個が売れる! 「バスクチーズケーキ」の火付け役『GAZTA』(白金高輪)は何がスゴいのか?

美味しさの秘訣は木棚にあり?

『GAZTA』のバスクチーズケーキ(15cm)4,320円(税込)
『GAZTA』のバスクチーズケーキ(15cm)4,320円(税込)

 サン・セバスチャンは、人口わずか18万人の小都市。その小さな街に、ミシュラン3ツ星や星付きレストランが多数存在し、世界中から美食家が訪れます。その美食家たちが、必ず訪れるバルが『ラ・ヴィーニャ』。

1958年創業の『ラ・ヴィーニャ』
1958年創業の『ラ・ヴィーニャ』

 お目当ては、チーズケーキ「tarta de queso」です。

サン・セバスチャン『ラ・ヴィーニャ』のチーズケーキは直径21cm
サン・セバスチャン『ラ・ヴィーニャ』のチーズケーキは直径21cm

 このチーズケーキ、ルックスから独特です。直径21cmの大きなホールで、表面はところどころ焼き色が付き、見るからにフワッフワ。そしてカットすると、中はなめらかで重厚なクリームがしっとりトロ~リと流れ出てくるよう。

 食べてみると、ベイクドでもないし、レアでもない、スフレでもない、誰もが「こんなチーズケーキ食べたことない」と口をそろえる逸品です。この稀有な食感と濃厚な味わいに、誰もが憧れるわけです。

 なぜこんなに魅力的な食感なのか? レシピを伝授された『GAZTA』の代表・戸谷尚弘さんによると、「食材や配合などにも工夫があるけれど、“火入れ”に非常に特徴がある」と言います。

『ラ・ヴィーニャ』のチーズケーキはカットして提供される
『ラ・ヴィーニャ』のチーズケーキはカットして提供される

『ラ・ヴィーニャ』では、元となる液体を型に流し込み、高温で一気に焼き上げます。するとスフレのようにフワフワに膨らみます。そこでオーブンから取り出して粗熱を取り、型から外します。でもまだ完成ではありません。この時点では、中央は液状です。

「その状態で、木の棚に置いて休ませるんです。熱伝導が緩やかに進む木棚に置くと、余熱でじんわりと中に火が入っていきます。さらに、この棚はチーズケーキ専用。下部に穴が開いています。1つの穴の上に1つのチーズケーキを置くことで、その穴から適度に水分が蒸発し、あの独特な食感を生み出すのです」(戸谷さん)

『ラ・ヴィーニャ』の棚。穴が開いているのがポイント
『ラ・ヴィーニャ』の棚。穴が開いているのがポイント

 この方法を白金高輪の『GAZTA』でも忠実に再現しており、店内左手の棚を見れば、ずらりと穴が開いた木棚を目にすることができます。

『GAZTA』の木棚
『GAZTA』の木棚
『GAZTA』の「バスクチーズケーキ」
『GAZTA』の「バスクチーズケーキ」

 また、本家『ラ・ヴィーニャ』と『GAZTA』のチーズケーキがいかに同じ味なのかは、食べ方にも現れています。

「バルのお客さんは、お酒とチーズケーキを一緒に楽しむ人が多いんです。観察していると、塩やコショウを振りかけたり、デザートワインやシェリー酒をかけたりして食べている。これ、やってみると、実によく合います。その自由な食べ方を日本に伝えたいと思って、オープン後に、岩塩やメープルシロップをトッピングとして販売し始めました。これが非常に評判なのです」

『GAZTA』では、岩塩とメープルシロップもトッピングとして販売している。カナダ産のオーガニックメープルシロップ110円、フランス ブルターニュの岩塩60円
『GAZTA』では、岩塩とメープルシロップもトッピングとして販売している。カナダ産のオーガニックメープルシロップ110円、フランス ブルターニュの岩塩60円

 食材、配合、焼き方、そして食べ方まで、元祖バスクチーズケーキの『ラ・ヴィーニャ』を再現し、その美味しさを伝える『GAZTA』。ちなみに塩でいただくと、ワインとの相性が抜群になりますし、メープルシロップをかけると、柔らかな甘さと香りが加わってより至極の味わいになります。

 まだ食べたことがない人は、この“本物”のバスクチーズケーキの味をぜひお試しください。

(取材・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

GAZTA(ガスタ) 外観

店名:GAZTA(ガスタ)

住:東京都港区白金1-14-10
TEL:03-3440-7495
営:9:00~19:00(売り切れ次第終了)
休:月(※月曜祝日の場合は翌火曜休)
http://gazta.jp/