クスッと笑えて美味しい! 五反田の新店『ITAMESHI』のユニークな創作料理とは?

先付けの「P.P.A.P」からインパクト大

 ITAMASHIで提供されるのは、4,000円、5,000円、6,000円のコースメニュー。『俺のイタリアン GINZA』で総料理長を務めた経歴を持つシェフと都内の有名和食店で腕をふるった板前さんによる料理と、それらの料理に合わせたワインや日本酒のペアリングが楽しめます。

店の外観は大きな白い暖簾がかかったいかにも和食店という趣き。店内に入るとグレーの大きなカウンターや白を貴重にした大理石など、スタイリッシュな雰囲気が漂う
店の外観は大きな白い暖簾がかかったいかにも和食店という趣き。店内に入るとグレーの大きなカウンターや白を貴重にした大理石など、スタイリッシュな雰囲気が漂う

 先付けとして出てきたのは「P.P.A.P」という、聞き覚えのあるメニュー。ただし、ここでは「パイン」「プロシュート」「甘エビ」「パクチー」を略して、「P.P.A.P」と言っているんです。

パクチーの載ったプロシュートの下に隠れているのは、パイナップルシャーベットと甘エビ。パインと甘エビの甘みや酸味を感じたあとに、プロシュートの塩気がやってきて絶妙なバランスだ
パクチーの載ったプロシュートの下に隠れているのは、パイナップルシャーベットと甘エビ。パインと甘エビの甘みや酸味を感じたあとに、プロシュートの塩気がやってきて絶妙なバランスだ

 そう、同店のメニューの大半がこういった個性的な名前が付けられているんです。コース料理なので最初にお品書きを見せてもらいますが、メニューを見てもそれが何なのかわからないものが多く、「次は何が来るんだろう?」というワクワク感があります。

メニュー名を見てもどんな料理か想像が付かないのがITAMESHIの面白いところ
メニュー名を見てもどんな料理か想像が付かないのがITAMESHIの面白いところ

どのメニューも想像の斜め上をいくものばかり

 続いて出てきたのは、八寸の「目黒川と桜」。この名前だけを聞くと、きっと和のテイストが強いんだろうなと思うはずです。しかし、その見た目とは裏腹に、イタリアンのエッセンスが強く、やっぱりいい意味で想像を裏切ってくれます!

パンナコッタを冷奴風にしたもの、合鴨のローストといちじく、秋刀魚の山椒煮とマスカルポーネチーズの3皿が出てきた。どれもワインが進んで仕方ない
パンナコッタを冷奴風にしたもの、合鴨のローストといちじく、秋刀魚の山椒煮とマスカルポーネチーズの3皿が出てきた。どれもワインが進んで仕方ない

 お凌ぎには「酢豚」とあるので、何か変わった材料を使った酢豚なのだろうと思っていたら、目の前に出てきたのはお寿司。そう、これはバルサミコ酢を使ったお寿司なんです。たしかに酢と豚肉なので“酢豚”ではありますが、こんなのは初めて!

酢飯にはバスサミコ酢を使用。豚とろを塩漬けにして熟成させた豚の頬肉「グランチャーレ」に、穴子をタレで食べるようにバルサミコ酢を付けて食べる。酢飯のほどよい酸味とグランチャーレの相性は抜群
酢飯にはバスサミコ酢を使用。豚とろを塩漬けにして熟成させた豚の頬肉「グランチャーレ」に、穴子をタレで食べるようにバルサミコ酢を付けて食べる。酢飯のほどよい酸味とグランチャーレの相性は抜群

 お椀にいたっては「緑+平和」とあり、何がなんだかわからない! でもこのわからない感じは、誰かと訪れたときに必ず盛り上がれるはずです。

「緑+平和」は、グリーンピースのポタージュだった。たしかに名前そのまんま! 添えられた茶筅にはクルトンが入っており、そっと加える
「緑+平和」は、グリーンピースのポタージュだった。たしかに名前そのまんま! 添えられた茶筅にはクルトンが入っており、そっと加える
お椀と一緒に出てきたのは藁に包まれた添え物。黒いものは炭に見立てたパンだった
お椀と一緒に出てきたのは藁に包まれた添え物。黒いものは炭に見立てたパンだった
藁の中にはチーズが! カマンベールチーズとブルーチーズが入っていた。藁に包んで1日寝かしているそうで、先ほどの黒いパンと一緒にいただく。「笑って ハイチーズ!!」のメニュー名はまさにぴったり
藁の中にはチーズが! カマンベールチーズとブルーチーズが入っていた。藁に包んで1日寝かしているそうで、先ほどの黒いパンと一緒にいただく。「笑って ハイチーズ!!」のメニュー名はまさにぴったり