東京サバイバル飯! 立ち蕎麦『ゆで太郎』で、念願の“コロッケラーメン”を食べてきた

 店内には、『ゆで太郎』創業者の美味しいお蕎麦へのこだわりが書かれたパネルがでっかく貼られていました。

 挽き立て、打ち立て、茹でたて。いわゆる蕎麦のこだわり「三たて」。ですが、私は本日「コロッケラーメン」を食べに来ています。うしろめたさが先に立ち、これを直視できません。

 券売機で、「中華そば」(390円)のボタンと、トッピングの「単品 コロッケ・たっぷり薬味ねぎ」(70円)と書かれたボタンをポチっと押し、目立たないようにレーンに並びました。

 蕎麦作りの職人とおぼしき人に食券を渡すと、

ゆで太郎職人:「中華そばですね?」

 と確認されました。「うちはれっきとした立ち蕎麦屋だけど、本当に中華そばでいいのかね?」というふうに脳内変換されてしまいます。さらに「コロッケにしますか? ネギにしますか?」という質問も。トッピングはどちらか1つを選ばなければならないようです。もちろん、

筆者:「コロッケを」

 蕎麦職人の顔が、少し曇ったように見えました。「中華そばにコロッケはないだろ…」という訝しさなのかもしれません。しかし、次の瞬間には、

ゆで太郎職人:「中華にコロッケ~、中華中華」

 と大声で、中にオーダーを通してくれました。

登場したコロッケラーメンはいかに?

 登場したのは、トレイにラーメンとコロッケが分かれて置かれていました。まずは中華そばのスープと麺を一口。お蕎麦屋さんの中華そばだけあって、とってもあっさりしていて、昔ながらの醤油味の中華そばです。

 そして、いざコロッケを投入。サクサクだったコロッケは、中華そばの醤油スープをどんどん吸い込み、ふやけていきます。これです、これがやりたかったんです。中華そばの方は、スープに衣の油がどんどん移っていきます。

 あっさりした中華そばが、コロッケの脂によって、コクが増し、まろやかになる。そして、くたくたになったコロッケのジャガイモが、スープに溶け込んでいって、まさしく「コロッケラーメン」の山場を迎えました。

コロッケラーメンには七味が合います
コロッケラーメンには七味が合います

 この味、非常に表現しにくいんですが、中華味のグラタンを食べているような感じなんですよ。そして何といっても嬉しいのは、ラーメンだけにメンマやチャーシューも入っていて豪華なこと。こんな些細なことでも、幸せな気分になれるのが「コロッケラーメン」の醍醐味。

 ちなみに、うちの近所の『富士そば』や『小諸そば』では、ラーメンや中華そばはないので「コロッケラーメン」はできません。『ゆで太郎』だけです。

 我ながら、年末に念願の「コロッケラーメン」を達成できたことで、自信がつきました。みなさんも、やり残したことありませんか? どんな小さなことでも残り少ない2018年にぜひ挑戦してみてください。

(取材・文◎土原亜子)