滋賀ラーメン『十二分屋』が東京初上陸! 近江熟成醤油と蛤の深うまい味にハマる人続出

醤油の違いが面白い醤油ラーメン!

 メニューを見ると、醤油ラーメン(680円~)を看板にしつつ、実は“醤油ラーメン屋が作った”味噌ラーメン、鶏白湯ラーメン、つけ麺、和え麺などいろいろな麺があります。その数14種類! さらに、餃子(300円)、唐揚げ(450円)、焼きめし(500円)、豚丼(350円)、十二分屋丼(350円)など、サイドメニューも豊富。さすが「ワセメシ」に参入しただけあります。

 しかも、醤油ラーメンは3種類あり、一つひとつ使用する醤油が異なるとのこと。いったい何を選ベば良いのやら。そこで、店主の宮川さんに説明してもらいました。以下のとおりです。

 その1:
 標準の醤油ラーメンは「十二分屋そば」(680円)。滋賀県彦根市にある、1853年創業の水谷醤油醸造場の本醸造の生しょうゆ「生地なり」を使っていて、キリッと引き締まった味わい。

 その2:
「十二分屋そば」より濃厚なのが「KOHAKUブラック」(750円)。ダイコウ醤油(滋賀県長浜市)の杉樽三年仕込みの「あまいろ(濃厚しょうゆ)」と、マルハマ醤油(島根)の「さしみしょうゆ」をブレンドした醤油を使っており、とろりと甘めなスープで、女性に人気。

 その3:
 最もコクがあるのタイプが、「十二分屋レトロ」(700円)。昔ながらの製法で、醤油の発酵・熟成感が強い岩佐商店(滋賀県高島市)の「マルイしょうゆ」を使用。旨味が深く、まろやかな味。

滋賀県の老舗醤油から厳選したお醤油
滋賀県の老舗醤油から厳選したお醤油

 さらに……

「実は、もう1つオススメの醤油ラーメンが「KOHAKU」(700円)です。これは『マルハマ醤油』の「淡口醤油」を使っています。うちの醤油ラーメンのスープは全て、羅臼昆布と蛤でとっていて、カエシ醤油と、最後に鶏油を入れます。醤油の旨みが強いと蛤の味が後ろに回るので、それを強く感じるにはこれくらいの薄口が良いと思います」と宮川さん。

 そこで、標準の「十二分屋そば」とオススメされた「KOHAKU」をお願いしました。なお、「十二分屋そば」のトッピングは、穂先メンマ、九条ネギ、低温調理の肩ロースのチャーシュー2枚です。特製になると、海苔、味玉、チャーシュー2枚が追加されます。

「特製 十二分屋そば」930円
「特製 十二分屋そば」930円

 まずは「十二分屋そば」。大きなレアチャーシューや具が丼のフタの役割をしているようで、スープはアツアツ。一口いただくと、まず鶏の香りが強く感じられ、そのあと、芳醇な醤油の香り。一瞬、やや辛口にも感じるキリッとしたお醤油味ですが、ほんのりと甘みも感じます。麺は中細麺で、スッキリしたスープによく合います。

「十二分屋そば」の麺は、京都の『麺屋棣鄂(ていがく)』の特製麺
「十二分屋そば」の麺は、京都の『麺屋棣鄂(ていがく)』の特製麺

 続いて「KOHAKU」。スープの色は薄め。最初からはまぐりのエキスが舌に広がります。醤油味というより、塩味に近い端麗な味わい。こちらの麺は、平打ちで、スープとの絡みがとても良いんです。

「KOHAKU」750円。トッピングは白ネギ、はまぐり、水菜、穂先メンマ、肩ロースのチャーシュー2枚
「KOHAKU」750円。トッピングは白ネギ、はまぐり、水菜、穂先メンマ、肩ロースのチャーシュー2枚
「KOHAKU」は、平打ちの自家製麺
「KOHAKU」は、平打ちの自家製麺

 同じ醤油ラーメンというカテゴリでも、こんなに味わいが違うなんて。まるで“利き酒”ならぬ“利き醤油”のようなラーメンです。これは面白い!