カラシビ系汁なし担々麺の超人気店『四川担担麺 阿吽 浅草』でシビ旨を堪能してきた

「つゆ無し担担麺」で最後まで夏を乗り切れ! カラシビ系の超人気店『四川担担麺 阿吽 浅草』でシビ旨を堪能
食楽web

 ギラッと陽射しが照りつける暑い日に、熱々のスープはちょっと…。でも辛いものを、吹き出る汗を拭いながら思いっきり食べたい。そんな相反するワガママを叶えてくれる稀有なメニュー、それが汁なし担々麺です。

 近年、新店がいくつも登場し、しかもどこも実力派ぞろい。実はにわかに活気づいている汁なし担々麺界隈ですが、中でも人気、評価ともに都内屈指のお店が『四川担担麺 阿吽』。本店は東京・湯島にあるのですが、今回は浅草・田原町にある支店『四川担担麺 阿吽 浅草』に行ってきました!

 東京メトロ銀座線、田原町駅の出口からすぐ。徒歩にしてほんの十数秒のところにお店はあります。マンションの1階にあるお店は、ちょっと小洒落た雰囲気。開店の11時から15分程しか過ぎていなかったのに、お店の中にはすでに待っている人が4人も! カウンターのみ8席の小さなお店ですが、この人気っぷりに期待は高まります。

 まずは入ってすぐの券売機へ。メニュー構成はシンプル。基本は「つゆ無し」か「つゆあり(担担麺)」の2種類。それぞれ、ベーシックな白胡麻か、コクのある黒胡麻が選べます。基本はこの4種類で、あとは辛さによって押すボタンが変わってきます。

メニュー構成はシンプル。ちなみにこの店では“汁なし”ではなく“つゆ無し”と呼びます
メニュー構成はシンプル。ちなみにこの店では“汁なし”ではなく“つゆ無し”と呼びます

 こちらのお店では、辛さと痺れが選べます。担担麺のお店ではでよくあるスタイルです。辛さは0辛~5辛の6段階に加えて、超激辛の6辛(+100円)。痺れも同様に0~6まであり。券売機では0~3辛と4~5辛があり、5辛を食べたことのある人だけが6辛を選べます。さらにライス(80円)、半ライス(50円)、麺大盛(150円)のオプション、トッピングに肉増し(150円)、野菜増し(100円)、温泉玉子(100円)、香菜=パクチー(150円)が用意されています。

 券売機横にあった辛さとしびれの目安表によると、<辛さ2/痺れ2>が初めての方推奨。そして<辛さ3/痺れ3>が当店の基準となっています。

4辛は3辛の約3倍、5辛は4辛の約2倍、6辛は5辛の約10倍の辛さ。ということは、6辛は3辛の約60倍!? ちなみに辛いものが苦手な人には、辣油も花椒も入れない0辛もあります
4辛は3辛の約3倍、5辛は4辛の約2倍、6辛は5辛の約10倍の辛さ。ということは、6辛は3辛の約60倍!? ちなみに辛いものが苦手な人には、辣油も花椒も入れない0辛もあります

 やはりまずはお店オススメということで、当店基準という<辛さ3/痺れ3>にすべく「つゆ無し 0~3辛」(850円)をポチッ。そして、朝食抜きで行ったので「麺大盛」(150円)。さらに、汁なし担々麺では必須である「半ライス」(50円)を押して、しめて計1,050円也。

 窓際に並ぶ4人お客さんの後ろにつながり、しばし待ち。土曜ということもあり、2人連れのお客さんばかりです。するとさっそく、店員さんが食券を受け取りに来ました。そこで辛さと痺れを聞かれます。当初はお店基準の<辛さ3/痺れ3>のつもりだったのですが、ここにきて心変わり。この日はとにかく陽射しが強く、東京は最高気温35度という猛暑日。暑いからこそあえてブワッと汗をかきたい! ということで、辛さは3ですが、痺れを5でお願いしました。

 しばらく待っていると椅子が空いたので、並び始めて5分ほどで着席。ちょうど開店直後に入った人たちが食べ終わるタイミングだったようです。

 カウンターには、券売機横にもあった辛さとしびれの目安表が置いてありました。オススメの食べ方をしばし読んでいると、やってきました「つゆ無し・麺大盛<辛さ3/痺れ5>」が! 麺の上にはたっぷりの挽肉と水菜などの野菜。そして、パッと見でも分かる花椒がこれでもかと振りかけられています。ん~、見ているだけで痺れそう!

花椒がふんだんに振りかけられていることがわかります
花椒がふんだんに振りかけられていることがわかります

 まずはレンゲと箸で一気に混ぜる。皿の底には、豆板醤や甜麺醤、そして辛さのもととなる辣油などで作られたタレがたっぷり。これを麺や挽肉、野菜に絡めるように混ぜていきます。

 ただようスパイシーな香りがたまりません! こちらのお店の花椒は、香りが強い一番外側だけを使い、さらに香りが飛んでしまわないように毎日挽いているとのこと。たしかに、花椒の香りが鼻をくすぐる…、もとい強く刺激してきます。そうそう、これこれ。この香りだけでもう、この後味わえる強烈な痺れへの期待度が高まります。

混ぜたら小エビが! もちろんしっかり旨みがだしに出ています
混ぜたら小エビが! もちろんしっかり旨みがだしに出ています

 底にタレがなくなったところで、さっそくいただきます! 麺は太めのモチモチ系。濃いタレに負けない力強さがあり、旨い。食べ始めると、まずは辛さがやってきます。辛さは3。辛い料理が苦手な人には、ちょっと強いかもしれませんが、辛いもの好きなら標準的な辛さです。

 その後、時間差で痺れがやってきます。ピリピリというよりは、じわーっと口の中が麻痺していく感覚。この痺れが辛さと合わさると、なんともいえない旨みとなるのです。唐辛子のように、のど直撃でむせ返ることもないため、一気に麺をすすります。ぷりぷりした麺を口いっぱい頬張って、麻辣をまとめて味わえば、得も言われぬ快感が! 汁アリでは味わえないこの感覚に感動すら覚えます!

 ノンストップで半分ほど食べた後、冷たい水をひと口。味のない水のはずなのに、花椒で舌が痺れていることで、なんだかほんのり味が付いているように感じます。さすが<痺れ5>。口の中が“じわじわぼわーん”としています。痺れちゃったら味なんて分からなくなるのでは、と思う人もいるかもしれません。しかしこれが不思議なことに、痺れちゃってもしっかり味は分かるんですよね。

 あと残り半分。一気に食べ進めます。香辛料やだしが効いたタレの味わいと、それに負けない麺。食べ終わるまで大した時間は必要ありませんでした。吹き出る汗を拭いつつ、美味しい一杯をいただきました。

 と、ここで終わりではありません。最後に待つのは、ここまで手を付けていない半ライス。もうおわかりですよね。そう、残ったタレに絡めて食べるんです。

これで半ライスにちょうどいい量
これで半ライスにちょうどいい量

 しっかり麺に絡めたためにタレはあまり残っていませんが、スパイスの効いたタレはこれだけでも十分パンチあり! ここに半ライスを全投入して混ぜていきます。

ライス投入!
ライス投入!

 見てください。もう見ただけで旨いと分かるこのビジュアル。これで残った挽肉も花椒も余すことなくいただきます。

これを食べるためにライスを頼むといっても過言ではないぐらい旨い
これを食べるためにライスを頼むといっても過言ではないぐらい旨い

 タレの旨みと辛味や痺れがご飯と合わさると、絶妙な美味さに! 大盛りの麺でけっこうお腹は膨れていたのに、ぺろりといけちゃいます。残った挽肉やタレまですべていただいて、これにてごちそうさまでした。

 辛さは普通(といってもそこそこ辛い)、痺れを強くしてもらうことで、担担麺の決め手でもある花椒を思う存分堪能できた一杯でした。暑い日に熱々のスープもいいですが、勢いで食べられる『阿吽』の「つゆ無し担担麺」でひと汗かくって最高ですよ。

・・・・・・・

 食べ終わって出る頃には、待つ列はさらに伸びていました。やっぱりこのお店の「つゆ無し担担麺」、きてますね。辛いものが苦手という人も、辛さと痺れを最も弱くしてでも味わってもらいたい汁なし担々麺でした。

(取材・文◎柚木 朔太郎)

●SHOP INFO

店名:四川担担麺 阿吽 浅草

住:東京都台東区西浅草1-1-13 カーサ田原町1F
TEL:03-5828-5525
営:11:00~15:00、17:30~21:00 ※材料がなくなり次第閉店
休:火(祝日の場合は翌日)
http://szechuan-aun.com/