吉祥寺の新店『麺ハチイチ/81 NOODLE BAR』の全ラーメンを制覇! 絶対食べるべきイチオシ麺はこれ!

片っ端から食べてみた!

 お店に伺ったのは午後2時過ぎ。コンクリート打ちっぱなしのグレーを基調としたクールな店内に、真っ白な券売機が浮かび上がっています。メニューを見ると、「醤油豚骨麺」(750円)と「油そば野菜」(800円)。他に野菜の量を増やした「油そば野菜増し」「油そば野菜増し増し」(各800円)。

「ん?? 出汁そばや辛い油そばは?」

 そこでお店の方に聞いてみました。すると「うちは昼と夜でメニューが変わり、“出汁蕎麦”と“油そば(辛)”は夜のメニューなんです」とのこと。しかもこちらのお店、昼は『麺ハチイチ』、夜は『81 NOODLE BAR 』と店名まで変わるというのです。これはかなり斬新なスタイルです。では、いっそのこと1日で昼夜メニューを制覇し、勝手にイチオシメニューを探ることにしました。

上品な「醤油豚骨麺」に感激!

「醤油豚骨麺」(750円)
「醤油豚骨麺」(750円)

 まず、注文したのは「醤油豚骨麺」。“チャッチャ系”の大きな背脂とは違い、非常に細かな背脂が浮かんでいるスープです。レンゲでひとすくい飲んでみると、背脂の臭みは全くなく、むしろ食欲をそそる脂の甘い香り。そしてマイルドなコクがあります。カエシの醤油の塩味加減もよく、ネギとニンニクの香りも優しくて、じつに上品な味です。豚骨醤油といえば、昭和のラーメンの代表的な味でもありますが、それをかなりハイクオリティにアップグレードした感じです。

もっちりとした中太の縮れ麺にその上品なスープが絡まります。ちなみにスープは豚のゲンコツ、背骨、背脂など、豚のオンパレード
もっちりとした中太の縮れ麺にその上品なスープが絡まります。ちなみにスープは豚のゲンコツ、背骨、背脂など、豚のオンパレード
「油そば野菜増し増し」800円(昼のみ)
「油そば野菜増し増し」800円(昼のみ)

 続いて注文したのは『油そば野菜増し増し』。高さ15cm強に積まれたもやしのタワー。重量は約600gで、もやしは3玉分ほどです。見た目は、二郎系のガッツリタイプです。その “もやしタワー”には、にんにく、背脂入りの濃厚な特製醤油ダレがかかっており、シャキシャキしたもやしの食感とタレの旨味で、飽きずに食べ進んでいけます。

 下の中太縮れ麺にたどり着くと、今度はさっぱり系のにんにく醤油ダレが潜んでおり、油の絡まった麺にもコクがあって相性が絶妙。麺の量は190g(茹でる前)と多めですが、二郎系とは全く違い、全体的にあっさりしていて、女性でもペロッと食べられる量です。

「油そば(辛)」800円
「油そば(辛)」800円

 次に注文したのは、夜のメニューの「油そば(辛)」。これは先ほどの「油そば野菜」とは違い、汁気がありません。なので、中太縮れ麺の食感の力強さがダイレクトに伝わってきます。むっちり、もっちり、シコッとした麺に、辣油や唐辛子の辛み、上品な脂の甘みが絡みつきます。

 そういえば、油そばは昭和30年前後の東京生まれ。平成初期に第一次ブームがあり、昨年あたりから、第2次ブームといわれていますが、ここのはかなりハイレベルな味です!

「油そば(辛)」の麺は、先ほどの「野菜増し増し油そば」同様の中太の縮れ麺。具は2種類のチューシュー、メンマ、刻み葱、海苔1枚。

油そばの辛さを調節するのは、自家製の唐辛子ペーストとラー油。辛さのレベルが0から10まで選べます。最高レベルの辛神(からじん)」は、田無の『油そば5坪』でしか食べられません
油そばの辛さを調節するのは、自家製の唐辛子ペーストとラー油。辛さのレベルが0から10まで選べます。最高レベルの辛神(からじん)」は田無の『油そば5坪』でしか食べられません

 こちらの「醤油豚骨麺」や「油そば」を作った料理人・東野史郎さんにお話しを伺うと、

「うちの姉妹店にはホルモン焼肉の『ハチイチホルモン』(吉祥寺)があり、豚の様々な部位の上質な食材を仕入れることができるんです。とくにスープに使う、“豚ゲンコツ”や背脂はかなりこだわって、最高に質が良いものを使っているので、臭くないんですよ。また同じく姉妹店の『油そば5坪』(東京・田無市)もあるので、そこの人気メニューを出しているんです」