惜しまれつつ閉店した伝説のカレー店『FISH』が新宿で復活! 蘇った絶品「キーマカレー」とは?

伝説はまだまだ続く

付け合わせの夏野菜もホクホクでスパイシー
付け合わせの夏野菜もホクホクでスパイシー

ファンが味の歴史を紡ぐ

 無我夢中で食べていたので、うっかり聞くのを忘れるところでした。「なぜ、1年経って新宿で再始動したのか?」についてです。その答えを、『FISH』の新しいオーナー・斎藤崇さんが教えてくれました。

「実は、私が『FISH』の大ファンだったんです。閉店の話を聞き、どうしてもここの味を残したくて、前オーナーに譲り受けることを承諾していただいたんです。『FISH』で16年間、料理長を務めたディパックさんにも、新しい店の料理人を務めてくれることを了承いただき、レシピもそのまま受け継ぐことができました」

前店主とディパックさんの写真が入り口に飾られていました。ちなみにディパックさんはインドの有名ホテルで料理長を務めていた腕の持ち主
前店主とディパックさんの写真が入り口に飾られていました。ちなみにディパックさんはインドの有名ホテルで料理長を務めていた腕の持ち主

 そのレシピの決め手は、やっぱり玉ねぎ。一日中、大量の玉ねぎをみじん切りにし、飴色になるまで炒めることの繰り返すのだそうです。旧店長さんから受け継ぎ、新店長が担います。この重労働なくしては『FISH』のカレーは成り立ちません。さらにディパックさんのスパイス使いは、“神レベル”だそう。20種類以上のスパイスを魔法のようにパパッと配合。しかも尋常じゃない量を使うのだとか。

「うちのカレーは6種類のカレーがありますが、基本のルーというものがありません。ですから、全種類、全部別に作っているんですよ。例えば、チキンカレーと大辛チキンカレーがありますが、辛さだけの違いではなく、最初から別々に作るので、根本から違うカレーなんです」

新しい『FISH』の店長さんは、開店そうそう玉ネギを炒めて1ヶ月でなんと数キロも痩せたとか。それほどの重労働なのです
新しい『FISH』の店長さんは、開店そうそう玉ネギを炒めて1ヶ月でなんと数キロも痩せたとか。それほどの重労働なのです

 丁寧な仕事と経験による神業からできる『FISH』のカレー。食べれば納得。この誠実な美味しさが、永遠に続いていく理由がわかりました。ぜひ、みなさんも食べて欲しいと思います。きっと誰もが「伝説の味」にならなくて良かったと思うはず。まずはキーマカレーからどうぞ。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

FISH 店内

店名:FISH

住:東京都新宿区西新宿7-5-6 新宿ダイカンプラザ756 2F
TEL:03-5937-6322
営:11:30~15:00、17:00~23:00(L.O 22:00)
休:日