週末埼玉グルメ旅! 里山育ちの野菜カレーやレモンケーキが絶品の『オクムサ・マルシェ』が面白い!

有機野菜と生薬の癒しカレー

『オクムサ・マルシェ』は、里山のド真ん中、緑に囲まれた美しい一軒家でした。中に入ると、木を基調とし、陽光だけでほんわかと明るい空間。大きな窓には、初夏の艶やかな緑が眩しく映し出されます。

 メニューをみると、「薬膳カレー」だけでなく、手打ちそば、うどん、自家製スイーツなどもありました。

 お目当の「薬膳カレー」(900円)と「レモンケーキ」、そして涼を求め、「胡桃そば」(1,000円)を注文しました。

「季節の薬膳カレー」900円。サラダ、小鉢、プチデザート(この日はコーヒーゼリー)付き。辛くしたい場合は、カイエンペッパーを自身で増量します
「季節の薬膳カレー」900円。サラダ、小鉢、プチデザート(この日はコーヒーゼリー)付き。辛くしたい場合は、カイエンペッパーを自身で増量します

 まず「薬膳カレー」。これは、今までに食べたことがないタイプのカレーで、優しい味わい。香り高く、様々なスパイスの味を感じますが、辛みはほとんどありません。鶏ひき肉や野菜のごろごろ感があり、舌の上でとろりと溶け、野菜の甘みや肉の旨みが口いっぱいに広がります。トッピングの野菜たちも、歯ごたえがシャキッとしていて新鮮!

薬膳カレーに付くサラダも地元の有機野菜。旬の葉物、サニーレタス、赤レタス、わさび菜、水菜、あごひげレタスなどを手作りのお豆腐シーザードレッシングでいただきます
薬膳カレーに付くサラダも地元の有機野菜。旬の葉物、サニーレタス、赤レタス、わさび菜、水菜、あごひげレタスなどを手作りのお豆腐シーザードレッシングでいただきます
「胡桃そば」1,000円。週替わりの小鉢2つと、プチデザート付。そばつゆは鰹節、サバ節でダシをとり、そこに埼玉・坂戸市の「弓削多(ゆげた)醤油」を使っているそうです
「胡桃そば」1,000円。週替わりの小鉢2つと、プチデザート付。そばつゆは鰹節、サバ節でダシをとり、そこに埼玉・坂戸市の「弓削多(ゆげた)醤油」を使っているそうです
小鉢の2品も野菜たっぷり
小鉢の2品も野菜たっぷり

 続いて、自家製手打ちの「胡桃そば」。こちらも、蕎麦がしゃっきりひんやり引き締まっていて、繊細な蕎麦の風味。甘すぎない“そばつゆ”も上品なお出汁が効いています。そこへ擦りたての胡桃ペーストを入れてすすると、濃厚なコクと香りで、これは、お蕎麦が何枚あっても足りないかも! と思わせられます。

店主の浅見敦さんのお父さんがそば打ちの担当
店主の浅見敦さんのお父さんがそば打ちの担当

 カフェとはいえ、想像以上の美味しさだったので、店主の浅見敦さんにお話を伺ってみると…

「ここ奥武蔵は、何もない里山ですが、実は地元の有機野菜がものすごく美味しいんです。四季折々、奥武蔵で育つ地野菜を紹介したくてお店を開きました」とのこと。野菜が美味しいのも納得です。

 カレーは特に通常使う野菜の2~3倍の量を使ってルーを作っているそう。また、その野菜の香り、旨み、苦味などをしっかり味わって欲しいとの思いから、通常の香辛料よりも体に優しい“生薬”的なスパイスを中心にした薬膳カレーになっていったと言います。

クコの実やナルコユリ、陳皮、ナツメなどを使うことで、季節の野菜と生薬の相乗効果があるそう。初夏のカレーは、ココナッツミルクやエビパウダーなどが隠し味。仕上げに夏らしくトマトジュレがかかっていて、自然な酸味で爽やか
クコの実やナルコユリ、陳皮、ナツメなどを使うことで、季節の野菜と生薬の相乗効果があるそう。初夏のカレーは、ココナッツミルクやエビパウダーなどが隠し味。仕上げに夏らしくトマトジュレがかかっていて、自然な酸味で爽やか

 野菜は、自然に育てると季節によって味が変わります。つまり、同じ野菜を使ってカレーを作っても、初夏には初夏の味、秋には秋の味になる。さらに、季節で変化する食べ手の体に対応すべく、生薬も少しずつ変える。これが『オクムサ・マルシェ』のカレーです。