浅草ホッピー通りの老舗『正ちゃん』のトロトロ牛煮込み「牛めし」は、一度は食べるべき丼界の横綱!

浅草ホッピー通りの老舗『正ちゃん』のトロトロ牛煮込み「牛めし」は、一度は食べるべき丼界の横綱!
食楽web

 浅草の観光スポットとしても有名なホッピー通り。浅草寺や六区からほど近い浅草2丁目にある大衆酒場が集うこの通りは、昼から安くお酒が飲めるとあって連日賑わっています。この通りの名物は各店で競い合っている牛やモツの煮込み。別名煮込み通りとも呼ばれています。その中でも牛の煮込みのナンバー1と呼び声が高いのは、ウインズ浅草の裏手に位置する『正ちゃん』。創業は昭和26年の老舗居酒屋で、昭和の風情をたっぷりと残した下町情緒が溢れる店です。こちらの名物は「牛煮込み」。創業以来継ぎ足して作られる大鍋でじっくりと煮た「牛煮込み」は訪れる人のほとんどがオーダーする人気メニューなんです。

仕上げまで5時間じっくり煮込んだトロトロの牛煮込み

「牛煮込み」500円
「牛煮込み」500円

 名物の「牛煮込み」は、じっくりと煮込んだ牛スジと大きな豆腐が入っています。食べてみると肉は柔らかく、味がしっかり染み込んだ一品。さすがは「浅草の煮込みの元祖」と言われる逸品。国産牛の牛スジをコトコト3時間下茹でし、その後味付けをした牛スジは柔らかなコラーゲンに変化するまでさらに2時間の煮込むという、手間ひまをかけた煮込みです。

 醤油とザラメを使った昔懐かしい味は、どこか「すき焼き」を思わせます。味がよく染み込んでいる豆腐には、創業明治39年の浅草の老舗豆腐店『市川食品』の豆腐を使用。国産大豆を使ったこだわりの豆腐は、浅草の老舗の料亭でも使われている一級品です。市川食品の焼き豆腐が220円で牛煮込みが500円、これは驚異のコストパフォーマンス! と余計な計算をしつつ、見事にマッチしたこの味に感謝です。

牛煮込みをたっぷりのせたどんぶり

「牛めし」500円
「牛めし」500円

 そのまま食べて美味しい牛煮込みですが、ぜひ試してほしいのは「牛めし」。このトロトロ牛煮込みを贅沢にたっぷりとご飯にかけていただくどんぶりです。どんぶりをガツガツとかっこんで食べたい、シメにオススメの一品です。

 柔らかく煮込んだ牛スジはコラーゲンたっぷり。醤油とザラメの甘辛い優しい味は、もちろんご飯との相性抜群。こんにゃくや玉ねぎもたっぷり入った「牛めし」はボリューム感もたっぷりです。

 店内にはすぐに料理を提供してくれる、美味しそうな手羽先や肉じゃがの大皿が並びます。キムチやお新香は200円、ゼンマイや大根煮は400円と価格はとてもリーズナブル。こちらのホッピーは黒と白の2種類です。濃色の麦芽で作られている黒ホッピーは黒ビールに似た風味で、褐色の色合いや苦味などが近く、それでいてすっきりとした味わいです。

 吉田類さんの酒場放浪記や、フジテレビの「とんねるずのみなさんのおかげでした」の人気コーナー「KITANACHELIN」で3つ星を獲得するなど、テレビでもおなじみの有名店。店内には「KITANACHELIN」の認定書とトロフィーが飾られています。汚いというよりも昭和のレトロ感満載で、初めて来ても懐かしさや親しみを感じる店内。ここはいつまでも変わらずに、このままでいてほしい。この風貌も含めてファンにはたまらない愛され続ける店です。

●SHOP INFO

正ちゃん 外観

店名:正ちゃん

住:東京都台東区浅草2-7-13
TEL:03-3841-3673
営:昼過ぎ~22:00、土日9:00~20:00(※牛煮込みがなくなり次第終了)
休:月曜、火曜

●著者プロフィール

矢巻美穂

国内、海外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマン。趣味は温泉めぐりと食べ歩き。座右の銘は「美味しいものは産地で食べるに限る」。旬の美味しいものをその産地で食べることに興味津々。著書に「トレッキングとポップな街歩き ネパールへ」「とっておき! 南台湾旅事情故事」がある。