開店30分で完売! 土日祝しか営業しない幻のカヌレ専門店『ダンラポッシュ』のカヌレはなぜ旨い?

人を笑顔にするカヌレは、素材選びも妥協なし

左:「チョコカヌレ」と「プレーンカヌレ」。ともに300円
左:「チョコカヌレ」と「プレーンカヌレ」。ともに300円

 内藤さんがカヌレ専門店を開いた理由は、自然派ワイン好きだったことがきっかけだったとのこと。「ワインを飲みながら食べたくなるスイーツは何だろう?」。そう考えて行き着いたのがカヌレだったそうです。

 カヌレはフランス・ボルドー地方の伝統焼き菓子で、正式名は「カヌレ・ド・ボルドー」。ワインの澱を取り除くために卵白が大量に使われるため、余った黄身で作られ始めた、という、ワインとは深い縁のあるお菓子です。

求めたのは「安さ」ではなく、安心できる「美味しさ」

カヌレは「溝のついた」という意で、カヌレ型を使って焼くのが特徴
カヌレは「溝のついた」という意で、カヌレ型を使って焼くのが特徴

 カヌレは日本でもフランス系のベーカリーで見かけますが、材料がオーガニックなものはなかなかありません。もともとお菓子作りが好きな内藤さんは「ないなら作ろう」と、最初はフランスのサイトをチェックしながら作ったそうです。そうして試行錯誤の末に完成したカヌレは、友人、知人の間で評判になり、いつしかワイン関連のイベントでケータリングを頼まれるまでになっていきました。

「お店をもちたい」。そう思い始めるようになって数カ月後のこと、前から気になっていた空き物件を扱う不動産屋と出会います。それが今の店舗。そして“ワインに合うカヌレ”をコンセプトに、2018年1月、『ダンラポッシュ』がオープンしたのです。

カヌレのサンプルは、ワインにちなんでワイングラスにイン
カヌレのサンプルは、ワインにちなんでワイングラスにイン
ネームプレートのスタンドは、ワインのコルクを使用
ネームプレートのスタンドは、ワインのコルクを使用

「オーガニック小麦、平飼い卵など、安心して召し上がっていただける素材を厳選しています。そういう素材選びが、生産者さんを応援することにも繋がりますしね」と語る内藤さん。

 カヌレにエッセンスとして加えるアルコール類も、ボルドーで熟成されるラム酒「ネグリタ」、フランス産のリキュール「コアントロー」、そしてレモンカヌレには無農薬レモンを使った愛媛県の「大三島リモンチェッロ」と、とことんこだわっています。もちろん、アルコール分は熱で飛ぶので、子どもでも安心して食べられます。

左からラム酒のネグリタ、コアントロー、大三島レモンチェッロ
左からラム酒のネグリタ、コアントロー、大三島リモンチェッロ