羊の丸焼きからウイグル料理まで。羊の旨さを幅広く堪能できる中国料理『月下爐』の魅力

最初から最後まで羊! 新疆羊三昧の名に偽りなし!

 前菜からしてすごい。羊チャーシューやラムタンなど芸が細かい前菜の小鉢がずらりと並びます。

左から2番目がラムタン、3番目がラムチャーシュー
左から2番目がラムタン、3番目がラムチャーシュー

 というわけで、コースの内容を一つひとつご紹介していきましょう。

ミートパイ(ゴシュナン)

 かぼちゃと羊肉が入ったミートパイ。かぼちゃと羊の相性のよさに開眼させてくれた一品。シカ肉とかぼちゃの組み合わせは聞いたことがありますが、羊も合うとは知りませんでした。

羊トマト炒め

 まさに、ウイグル的な羊料理。トマトの酸味をうまく利用した料理が多く、こうした炒めものに麺を混ぜたラグメンもあります。ラグメンはパスタのルーツとも言われている料理。

羊スープ

 濃厚なスープ。羊の旨みが凝縮。羊でとった出汁が、羊肉より好き、という方も多いんです。

ポロ

 ウイグル風ピラフ。羊肉をメインに、レーズンやニンジンと一緒に油多めで炊き込んだ羊ピラフです。そうそう、ウイグルは干しぶどうの名産地でもあるんです。

 筆者はもともとウイグル料理が好きで、現地の人がやっている店にばかり通っていましたが、『月下爐』は日本人のシェフが作った丁寧なウイグル料理。本場の味ともまたどこか違う、新たな味わいで、とても面白い印象です。

 ちなみに、今回は食べませんでしたが、こちら羊肉串も逸品。筆者は、四川フェスというイベントの実行委員もやっているのですが、その総決起集会でも、下記のように素晴らしい屋台料理を出していただきました。ランチも宴会もディナーも楽しめる、まさにオールマイティなお店です。

宴会時テラスで中国の屋台街を思わせる演出をしてくれました
宴会時テラスで中国の屋台街を思わせる演出をしてくれました

ウイグル料理に合わせたいお酒は?

 乾燥した風土の料理なので、やっぱりビールが合います。特に、中国で売っているビールは「特徴がなく、中華の味の邪魔をしない」のが特徴。中国ではビールはアルコール度数が低く、味わいも薄め。つまり、水に近い飲み方が多いのです。

 逆に言えば、味が濃いビールは「料理の邪魔をする」と敬遠されます。こうした考えのもと、中国料理のために造られているのが青島ビール。中華と合わせて飲んで初めて「ああ、だからこの味なんだな」とわかるビールです。今度、機会があるときにはぜひ意識して飲んでみてください。

(撮影◎菊池一弘)

●SHOP INFO

店名:月下爐 牛込神楽坂店

住:東京都新宿区北町21-1
TEL:03-3269-3900
営:ランチ11:30~15:00(14:30 L.O.)
  ディナー月~金17:30~22:00(21:30 L.O.)
  土日祝17:30~21:30(21:00 L.O.)
休:なし
https://kiwa-group.co.jp/gekkaro/

●プロフィール

菊池一弘

羊齧協会主席。羊肉を常食する岩手県遠野市出身の父の影響で、羊肉料理に親しんで育つ。北京留学中に現地の味に触れ、その魅力に開眼し羊好きの消費者団体「羊齧協会」を結成。本業は、イベントの開催・運営、場作りのプロとしてのアドバイザー業務などに携わっている。最近は四川フェスの運営団体麻辣連盟の幹事長も兼務。
http://hitujikajiri.com/