昭和のノスタルジーも満喫できる仙台「文化横丁」で絶対行きたい3つの名店

大人のための酒場『源氏』

 文化横丁の細い路地を抜け、人ひとり通れるかどうかの細い路地にある『源氏』。趣きのある木のぬくもりがやさしいコの字のカウンターで美人女将が切り盛りする、おいしいお酒が楽しめる大人の酒場です。そしてこちらの特筆すべきポイントは、少し変わったシステム。お酒一杯を注文すると一緒につまみが一品出てきます。1杯目、2杯目と酒を頼むごとに肴が変わり、初めての訪問なら3杯目、常連さんでも4杯で打ち止めというのが決まりなのです。横丁のさらに奥という立地、独自のシステム、そして風格のある店内と、まさに大人のための酒場。いつかこの店が似合う大人になりたいと思わせる素敵な店です。

 昭和25年創業で、穀物蔵を移築して宮大工が作り上げたこだわりの店内は、初めて訪れても懐かしさを感じ、堂々たる風格を醸し出しています。

●SHOP DATA

店名:源氏

住:仙台市青葉区一番町2-4-8
TEL:022-222-8485
営:17:00~23:00
休:日祝

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仙台で餃子の名店といえば『餃子元祖 八仙』

 創業は昭和28年、大衆的な中華料理店『餃子元祖 八仙』。こちらの看板メニューは店名通り、もちろん餃子。焼き餃子、水餃子、蒸し餃子の3種類あって、いちばん人気は焼き餃子です。小ぶりで食べやすい大きさの餃子は、女性でも2皿以上オーダーすることが多いとか。餃子に味がしっかり付いているのでまずはそのままで食べてみましょう。外はパリッと中はジューシーな肉汁系で、ビールとよく合います。親子で切り盛りする店内は、気兼ねなくくつろげて、スタッフの接客も気持ちがいい。レトロなムード満載の店に、餃子とビールが進みます。

 店内奥ではご主人が餃子を包み、その日食べる餃子を冷凍することなくその場で焼き上げます。

●SHOP DATA

店名:餃子元祖 八仙

住:仙台市青葉区一番町2-4-13
TEL:022-262-5291
営:17:00~22:30(L.O.)
休:日祝

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昭和モダンな店内でいただく本格中華料理『祥発順』

 最後にオススメするのは、昭和21年創業の老舗中華料理店『祥発順(しょうはつじゅん)』。洗練されたデザインの昭和モダンなお店です。一歩店内に入ると、相当な高級店かと緊張してしまう佇まいです。デザインタイル、大きな飾り窓、おしゃれな天井の装飾など、この建物が建てられた昭和41年当時は、かなりのデザイン性に話題だったことが伺えます。そしてこちらでは本格的な広東料理がいただけます。気になる料金ですが、ランチは「ラーメン」(660円)、酢豚や八宝菜が選べるランチは840円と意外にもリーズナブル。コースは3,340円から1,080円きざみで3コース。建築ファンも喜びそうな素敵な佇まいの中、リーブナブルにおいしい中華料理が楽しめます。

 海外の高級アパートメントのような化粧室や、コンクリート打ちっぱなしの2階の個室も、満足度を上げてくれるワクワク感があります。

●SHOP DATA

店名:祥発順(しょうはつじゅん)

住:仙台市青葉区一番町2-4-18
TEL:022-227-7575
営:11:30~15:00、17:00~21:00
休:木曜

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 青葉通りから南町通りまで続くアーケード街の「サンモール一番町」には、2つのレトロな横丁があります。歩いて30秒ほどで行ききでき、「文化横丁」と「壱弐参横丁(いろはよこちょう)」は、どちらもレトロでディープな香りがする横丁です。「昭和レトロ」と言われていますが、この横丁ができたのは大正13年。昭和どころか大正時代から存在する長い歴史のある横丁なのです。

 どこに入るか迷ったら、「文化横丁」をとりあえず一周してみましょう。歴史ある名店から新しくおしゃれな居酒屋やバーもあるので、きっと好みに合う店が見つけられるはず。たくさん店があるので、はしご酒も楽しみのひとつ。夜の帳が下りて店の灯りが燈ったら、ぶらりと出かけてみるのがイチバンです。

●SHOP INFO

文化横丁

住:仙台市青葉区一番町2丁目
http://www.sendai-bunyoko.com

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●著者プロフィール

矢巻美穂

国内、海外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマン。趣味は温泉めぐりと食べ歩き。座右の銘は「美味しいものは産地で食べるに限る」。旬の美味しいものをその産地で食べることに興味津々。著書に「トレッキングとポップな街歩き ネパールへ」「とっておき! 南台湾旅事情故事」がある。