讃岐うどんの本場・香川の『池内うどん店』の謎メニュー“アベック”を食べてきた

「アベック」って何だそれ?

『池内うどん店』の「アベック」(440円)
『池内うどん店』の「アベック」(440円)

 念願の香川に到着後、向かったのは『池内うどん店』。「これ民家じゃないの? 本当に売ってる?」と思わずスマホで再確認が必要な店が多いのも本場の讃岐うどん屋さんの特徴ですが、ご多分に漏れず、こちらのお店も見た目はいわゆる“うどん屋”ではありません。

ちなみに駐車場はありません
ちなみに駐車場はありません

 スマホとレンタカーのナビを駆使して、なんとか辿りついた『池内うどん店』。目印は「うどん」と書かれた看板とのれんだけ。知る人ぞ知るお店、という感じがプンプンします。これは楽しみ! 車から降りてのれんをくぐり、薄暗い廊下を過ぎると…。そこに広がるのはなんと、大きな池。そして右を向くと製麺所の入り口が。のれんが出ていたとはいえ、あまりにも民家然とした佇まいに正直、製麺所を見つけるまで少し不安でした。

池のほとりでうどんをすする人も
池のほとりでうどんをすする人も

 こぢんまりした製麺所に入ると、お母さんがてきぱき注文を聞いてくれます。普通のお店にあるようなメニュー表はありません。「うどんorそば」「何玉」「温いor冷たい」を伝えるだけ。どれにするか迷いそうな人は、お店の外の入口付近にメニューが掲示されているので、それを見てから入店したほうがいいかも。

 うどんもそばも1玉220円~と良心的です。今回は、来る前から気になっていた「アベック」(440円)を注文。なんとこれ、うどん1玉+そば1玉が入っています。そう、うどんとそばが同時に味わえるんです! かなり興味がわきます。その場でつくってもらえるので、待ち時間なく出てきましたが、なんとラーメンどんぶりで登場。いきなり大物感漂うビジュアルです。

うどん1玉、そば1玉、つゆ、ねぎというシンプルさ
うどん1玉、そば1玉、つゆ、ねぎというシンプルさ

 さっそくいただきます。うどんはなめらかな食感で、味はあっさり。コシはあるけど、歯につくようなモッチリ感はなく、ツルツルッと食べられました。ちょっと太めのそばは、うどん同様にコシがあって食べごたえバッチリ。そして気になるのが丼の下のほうのつゆ! ダシもしっかり感じますが、思ったより塩気があります。これがいわゆる“からい”(=しょっぱい)ってやつでしょうか。あっさりしたうどんやそばといい具合に絡みます。うーん、おいしい! うどんとそばを一度に堪能できて、これぞまさしく“一石二鳥”です。

手前の細かく刻んだ唐辛子は製麺所の中にしかないのですが、とっても辛いので入れすぎ注意
手前の細かく刻んだ唐辛子は製麺所の中にしかないのですが、とっても辛いので入れすぎ注意

 うどんやそばをそれぞれ別に食べるのもいいですが、個人的には丼の底のほうから箸でぐるんとかき混ぜてから、うどん、そばを一緒に食べるのがオススメ。異なる食感や味が一度に楽しめてちょっと贅沢した気分になれます。テーブルに置かれている七味唐辛子や、お店の中にしか置いていない唐辛子を入れると、さらに辛みが増してひと味違う味わいに。

食楽web
池を背景に撮りたくて、うどんをおかわりしたのは内緒です

 ちなみにこちらのお店、テーブルやベンチもありますが、敷地内の池付近で食べるのもOK。運がよければ池で泳いでいる大きい鯉といっしょに写真が撮れるかも。朝7時から開店していますが、お昼過ぎには閉店してしまうので、早めの来店を。

●SHOP INFO

池内うどん店

店名:池内うどん店

住:香川県綾歌郡綾川町牛川487-1
営:7:00~13:30
休:月

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●著者プロフィール

取材・文/境みなみ

北関東出身、東京在住。ベンチャー系IT企業で営業から事務までやらされている現役アラサーOL。好みのタイプは讃岐うどん! なんだけど、なかなか聖地・香川に行けないのがもっかの悩み。でも、そんなうどん欲を満たしてくれる、早くて安くて美味しくて、ちょっと自慢したくなるお店は東京にもけっこうあるんです。そんな日本のソウルフード「うどん」に魅せられ、今週はどこに行こうと考えるのが一番の楽しみです。