茨城のイチゴ農園「かわらけや」のイチゴ狩りが人気の理由とは?

1つのハウスで4種のいちごを食べ比べ!

 こちらの特徴は、一つのハウスで4種のいちごを食べ比べできること。食味が良いことで人気を集めている茨城県オリジナルの品種「いばらきっす」、しっかりとした甘みにほのかな酸味が心地よい「べにほっぺ」、そしてビタミンC含有量がとにかく多いことで徐々に認知を広げている「おいCベリー」、そして2017年に登録出願が出されたばかりの新品種「恋みのり」。この4つを一度に楽しむことができるんです。

 ついついお腹いっぱいになるまで食べてしまいがちなイチゴ狩りですが、こちらのイチゴは、どれだけ量を食べても飽きません。4つのイチゴが、一口ごとに味がひとつひとつ明確にわかるほど個性豊かだからです。たとえば甘みの強い「べにほっぺ」を食べたあとに「おいCベリー」を口に含むと、イチゴ本来の味を思い出させてくれる心地よい酸味がバツグンに美味しく感じられます。というふうに、その次、またその次と、新しいイチゴへついつい手が伸びてしまうのです。

 また、水耕栽培ではなく、土耕栽培だからでしょうか。土の香りが感じられるハウスの中で育ったイチゴたちは、大地のパワーのおかげか、4品種ともエネルギーに満ちあふれた力強い味わいです。

美味しさの秘訣は、シンプルに畑が喜ぶことだけを続けること

美味しいイチゴを作るための重要な役割を担うミツバチは、畑の休憩時間に出てきてイチゴの受粉のお手伝い
美味しいイチゴを作るための重要な役割を担うミツバチは、畑の休憩時間に出てきてイチゴの受粉のお手伝い

「お客さんが喜んでくれたときが、やっぱりいちばん嬉しいですね。お腹いっぱいだよ、なんて笑いながら帰られていく姿を見ると、ああ、またこれからも頑張ろうって思うんです。笑顔が見れるって嬉しいじゃないですか」と話すのは、かわらけやオーナーの島津幸孝さん。

「ぼくはイチゴ農家2代目、とかではないんです。だから最初は農家のやり方もわからなくて、試行錯誤、日々トライアンドエラーを繰り返してこの15年やってきました」

 大阪から進学のために筑波へやってきた島津さんは、学生時代、イチゴ農家の6割が65歳以上という高齢化の実態を知り、農家を目指したそう。

「研修先の農家さんを卒業したあとも、やはり農家出身ではないから、生産体制が弱かった。でも、そこで諦めるのはなく、弱点を逆手にとって売る方に力を入れました。あとは、シンプルにとにかく畑が喜ぶことをする。そうすればおのずとイチゴは元気に美味しく育ってくれる。それに尽きますね」

かわらけやオーナーの島津幸孝さん
かわらけやオーナーの島津幸孝さん

 かわらけやに県内外から連日たくさんのお客さんが集まる理由は、4品種の食べ比べができるのはもちろん、手間暇をかけ、お客さんのためにこだわり抜いたイチゴを日々作り続ける真摯な姿勢にもあるようです。

 まだ間に合うイチゴ狩り。今週末は、つくばのかわらけやへ足を運んでみてはいかがでしょうか。事前に電話での予約をおすすめします。

(取材・文◎藤森もも子)

●SHOP INFO

店名:かわらけや

住:茨城県つくば市上境1599-1
TEL:070-6454-1583
営:9:00~15:00 (販売終了次第)
http://kawarakeya.com/