3年連続ミシュラン獲得『らぁめん小池』の新店が登場。「山椒そば」が絶品だった!

これぞ「中華そば」の傑作だ!

「中華そば」750円
「中華そば」750円

完全に「山椒そば」にハマッてしまった

 2月17日のオープン翌日、友人と待ち合わせて店に向かうと、店名は“小池さん”ではなくて『中華蕎麦 にし乃』さん。しかもイメージとは違って、しっとり和風の店構え。そういえば、ここは昔、鰻屋さんだった場所です。

ドアの取っ手が「鰻」の形をしています
ドアの取っ手が「鰻」の形をしています

 13時半過ぎ、外行列は5人ほど、約10分で入店できました。厨房を囲むL字型の長いカウンターに10席程度。とても風通しがよく明るい店内です。

 メニューは「中華そば」「山椒そば」「醤油そば」の3つ。サイドメニューに「味付き替え玉」「炊き込みごはん」があります。ただ、「本日は醤油そば準備中」と書かれており、二者択一を迫られました。友人は「まずは“中華そば”からでしょう」と“したり顔”で言いますが、筆者は断然「山椒そば」。理由は至極簡単。山椒が大好きだからです。

 卓上にあるお品書きにメニューのコメントが書かれていて、それを読みながら着丼を待っていると、気になる一言がありました。「スープが暖かい時と、冷めてきた時の表情の違いを楽しんでください」。冷めたラーメンは美味しいはずがない、と思っていたので、その表情とはどういうことなのでしょう?

卓上にあるお品書きとコメント
卓上にあるお品書きとコメント

 登場した「山椒そば」も「中華そば」も、黄金色に輝く透明なスープ。ナルト、ほうれん草、ねぎという“ザ・中華そば”というラインナップで、ストレート麺が折りたたまれるように盛られていて、見た目にも美しい! 「山椒そば」は、仕上げにホールの青山椒をミルで挽いてあるため、眼の前に置かれただけで爽やかな香りが漂います。

「山椒そば」
「山椒そば」

 まずスープを一口いただくと、強烈な日本山椒の香り。そして、優しいシビレ感。そばをすすると、鼻から山椒の爽やかな香りがスーッと抜けていきます。まるで香りの二重奏。煮干しの風味を感じますが、それだけではない深みのある味わい。具材のほうれん草は、鰹出汁でつくったおひたしです。また、チャーシューは薄めに切った肩ロースが4枚。こちらの味付けも、肉の旨みをしっかりと引き出しており、甘醤油のあっさりとした風味です。

 これはもう“中華そば”というより和食の椀物のような上品さ。

「中華そば」をすすっている隣の友人を見ると「さすがだわ」という笑みを浮かべています。これはどえらいお店が本郷に上陸してしまった……。と、その翌日にもまた「山椒そば」を、さらに翌日には「中華そば」を食べに行ってしまったのです。