コロッケパンが旨い!老舗パン屋のレシピを受け継ぐ『イトウベーカリー』が愛される理由

老舗の味と新店の味はどう違う?

「カレーパン」220円。長野ベーカリーの時より少しスパイシーにとろみをつけてある
「カレーパン」220円。長野ベーカリーの時より少しスパイシーにとろみをつけてある

 というわけで、こんなにサービス精神旺盛なサンドとそれに合わせた極上のパンを作っているのは店主・伊藤さん。長野ベーカリーでパン職人として13年勤めた方です。そのこだわりについて、お話を伺ってみました。

店主の伊藤さん
店主の伊藤さん

「『長野ベーカリー』では、パンのイロハを一から教わりました。特に人気商品は同じ味を求めていらっしゃる常連さんが多いので、毎日同じ味を作り続ける難しさを知りました。コロッケパン、明太フランスなどはその代表です。とはいえ、そんな常連さんにも新しい味を買っていただけるよう新メニューを作ってみたりして、その難しさも知りました」

 今回は、自分の店であり、西早稲田という新天地。赤坂とはちょっと違うお客さんで、人気商品も少し変わってきたといいます。

「長野ベーカリーの人気商品の味を引き継がせていただくことを大事にしながら、今は西早稲田という街の人に向けたパンを作りたいと思っています。例えばクロワッサンやカレーパン、メロンパンなどは、同じ名前でも自分なりに配合や味を変えていますし、新たなニーズもあって、レモンベーグルなどを作ってみたり。まだまだ模索中ですが楽しんでやっています」

伊藤さんが作る新しい生地を使った「クロワッサン」
伊藤さんが作る新しい生地を使った「クロワッサン」

 夜中3時には起きて4時には厨房に入るという伊藤さん。パン屋さんの朝はびっくりするくらい早いんです。でもそれは、開店時の7時になるべく多く商品を並べてお客さんの笑顔が見たいという思い。1つひとつ丁寧に作るパン屋さんの日常でもあります。

『長野ベーカリー』からほとんどの機械を引き継いだというので、見せていただいたら、古い機械もピカピカに磨き上げられていました。やはり、あの「コロッケパン」は“一夜にしてならず”の深い味なんです。

 冒頭で、コロッケがいろんな料理に合うといいましたが、コロッケパンの場合、パンの食感、形、甘みの加減が大事だとわかりました。『イトウベーカリー』で焼き上がる極上のパンとコロッケのハーモニーをぜひ味わってみてください。

(取材・文◎土原亜子)

『長野ベーカリー』から受け継いだ溶岩窯
『長野ベーカリー』から受け継いだ溶岩窯

●SHOP INFO

イトウベーカリー

店名:イトウベーカリー

住:東京都新宿区西早稲田1-10-7
TEL:03-6265-9018
営:7:00~18:00(土曜~16:00)
休:日・月・祝