コロッケパンが旨い!老舗パン屋のレシピを受け継ぐ『イトウベーカリー』が愛される理由

「コロッケパン」も「とんかつ」も絶品だった!

「コロッケパン」200円と「とんかつ」290円
「コロッケパン」200円と「とんかつ」290円

 東西線・早稲田駅から徒歩5分ほどのところに『イトウベーカリー』はありました。店先はこんな感じでアットホームな雰囲気です。

 入店すると、パンケースにずらりと並んだ約50種類のパンがお出迎え。目移りしますが、その中に個装された「コロッケパン」(200円)を確認。さっそく購入しました!

 袋を開けてみると、“ガマ口”のような形のパンで、開いている口に、コロンと丸いコロッケが、若干はみ出しながら挟まっています。コロッケに合わせたパンの形なのか、パンに合わせたコロッケの形なのか。とにもかくにも可愛いらしいフォルムで、かじる前から一目惚れ!

 パクリと食べてみると、パンはフカフカしていて、ほんのり甘く、コロッケは揚げたての衣で、サクサクとした食感。ひと口でもうすでに美味しい。

 食べ進んでいくと、真ん中あたりに甘辛いソースが登場。そのソースで衣が少ししんなりし、パンの方にも味がしみて、その部分がたまらなく美味しい。フルコースで言えば、ここがメインです! 筆者は『長野ベーカリー』の時の味を知らないので、懐かしい味というより、この味わいはむしろ新鮮です。

「コロッケパン」の断面
「コロッケパン」の断面

 ここで気づいたのですが、コロッケは、コーン、人参、グリンピースが入った昔ながらのもの。ソースのほうも店主の伊藤さんに聞けば「普通の業務用のソース」だというのです。つまり、秀逸なのは、それらをまとめ上げているパンということになります。

 というわけで、今度はパンの凄さを確かめるべく、横にあった「とんかつ」290円に注目しました。いわゆるカツサンドですね。

「とんかつ」290円
「とんかつ」290円

(とん)かつサンドといえば、一般的には500円以上するところも多い高級惣菜パン。でも、ここの「とんかつ」は、なんとお値打ちの290円です。

 しかも、見えている部分は分厚いのに、実はカツの切れっぱしで、最後のほうはパンだけを食べる羽目になる……なんていう“残念カツサンドあるある”もありません。あれは世の中で最も許しがたい詐欺の一つですよね。

 ところが、こちらの「とんかつ」は、1cm強の分厚いカツがパンの奥までしっかり入っていて一切虚飾なし。だからパン、カツ、ソースの三位一体を最後のひと口まで味わえます。そしてやっぱり、包み込んでいるパンがふんわりとしていて、ほんのり甘く、とんかつの邪魔をせず、それでいて存在感もあるのです。

「とんかつ」の断面。奥までしっかりとカツが入っています。パンはとてもソフト
「とんかつ」の断面。奥までしっかりとカツが入っています。パンはとてもソフト