金土日しか食べられない!?西荻窪の激ウマ「ポークカレー」とは?

こだわりのスパイスカレーのアイデアはどう生まれる?

 ご主人もお仕事があるのに毎週、新作カレーを作るのは大変なのでは? と聞いてみると、「試作段階で失敗することもしょっちゅうあるんですよ」と笑うみちるさん。

「ただ、レシピができるまで、試作を何度も繰り返していますね。特にカレーではないメニューからヒントを得ることも多いんです。例えばイワシを使ったカレーの時は、梅干しを入れてみようとか、サバを使うときはトマトを入れてみようとか。素材の組み合わせには苦労しているようです」

 でも、和食やイタリアンなどからヒントを得て組み合わせるという、実に自由な発想で、なんだかとっても楽しそう。

「彼は、店をオープンする前からスパイスカレーが大好きで、いろいろなお店に通っていました。ところが、ある時から自宅で毎日のようにカレーを作り始めたんです。それからは家でも外でもカレーばかり(笑)。趣味が高じ、店を開いた素人の域なのですが、楽しくやらせていただき、お客様においしいと言ってもらえたら本当に嬉しいですね」

 みちるさんは、ご主人にレシピをもらい、食材のほとんどを西荻で買い物をして揃えている。時には、実家の山梨から新鮮な野菜が届く。それを使ってまたカレー作り。

 お店は、まるで彼らの趣味の部屋のような空間にも感じられるが、なぜかとても居心地が良い。おいしいカレーをいただきながら、1時間も2時間ものんびりしたくなるのだ。

「確かにここは、うちのリビングのような空間なんですが、時々、アーティストの方にギャラリーとして活用してもらったりもしています。西荻窪の街の人にくつろいでもらえたら嬉しいです」とみちるさん。静かにポツリポツリと話す。なんだか、彼女も居心地の良い人だ。

 最近、スパイスカレー専門店が続々増えているけれど、長居したくなる店はそうそうない。“西荻散歩”のついでに、またおいしいカレーを食べに来ようと思える、いいお店に出会えた。

(取材・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

raccoon

店名:raccoon(ラクーン)

住:東京都杉並区西荻南3-4-1
TEL:090-9374-7126
営:11:30~20:30(L.O)
休:月~木
Instagram:@racoon.tokyo