【ベジつまみ】高野豆腐と豆のキーマカレー|完全肉なしベジタリアンカレーの食べ応えに恐れ入った話

働く妙齢男女が直面する「野菜を摂らなきゃ」プレッシャーも何のその。楽しくおいしく、野菜で飲めれば最高! と、酒に合う野菜のおつまみ、通称“ベジつまみ”を提案。外食好き&料理ベタの酒飲み女性ライターが、マクロビ料理家・丸さんの指南を受けつつお届けします。

【ベジつまみ】高野豆腐と豆のキーマカレー|完全肉なしベジタリアンカレーの食べ応えに恐れ入った話
食楽web

 先日、第0話で紹介した中年太りに悩む友人I(40代・男)と久しぶりに再会した。ジリジリと暑い夏の真っ昼間、コンクリートから放たれる照り返しで身体は焦げそうだ。相変わらず立派なお腹を揺らして「ごめんごめん、遅れた!」と新橋の駅前にやってきたIは、なじみの喫茶店に入るなり「ここね、カツカレーがうまいんだよ」と言う。

 ありがたいことに、彼の奥さんはこのベジつまみも参考にしながら、若き日の出会いから20キロ太った夫のために、野菜中心レシピの夕食を毎日作ってくれているという。「だからさ、昼は好きなだけ肉食べたいんだよ。それにさ、カレーって夏バテ防止フードじゃない?」そう悪びれずにいうIの憎たらしさと言ったら、このうえない。
「じゃあせめて、カツじゃなくてふつうのカレーにしたらいいのに」
「食べ応えがほしいんだよ。食後の『食べた!』っていう満腹感が大事なの。食べ応えがあれば、別に野菜でも問題ないもんね」

 コイツ言ったな。しかし、肉を使わずに食べ応えをアップさせるのはどうすればよいのだろう。

「豆がいいですよ。植物性のたんぱく質だし、けっこうお腹にたまってくれるので満足感があるんですよね」
 一切肉を使わず、満腹感のあるカレーができるのか?という問いに対し、丸さんが作ってくれたのは、挽き肉ならぬ豆類を使ったキーマカレーだった。
「高野豆腐とカレースパイスを合わせると挽き肉っぽい味になるんです。そこに丸ごと豆を入れていくとしっかり食感が出るので、野菜=味気ないと思っている人でも大丈夫じゃないかなあ」

 口に入れると一瞬おからのような風味があるが、すぐにスパイスの波が押し寄せてきて身体がポカポカしてくる。問題の食べ応えだが、ゴロンゴロンと入った枝豆が、まるでサイコロ切りのハムを食べているよう。だし汁を昆布にすれば、完全なるベジタリアンフードだが、恐れ入りました……とうなる食後の満腹感。私のお腹もIの腹のようにパンパンだ。

「旬なのと、緑の色合いがキレイだから枝豆を使っていますが、豆なら缶詰のミックスビーズでも、なんでもいいんです。今回はキヌアと黒米を混ぜたごはんにしましたが、雑穀米にするのもおすすめですよ」(丸さん)。