料理のレベルが格段にアップする秘密【1】超優秀「基本調味料」編

料理のレベルが格段にアップする秘密【1】超優秀な「基本調味料」とは?

食楽web

料理の腕をワンランク上げる第一歩は、美味しい調味料を揃えること。話題のグローサリーストア「FOOD & COMPANY」(東京・学芸大学)で、本当においしい基本調味料を教えてもらいました。

料理のレベルが格段にアップする秘密【1】超優秀な「基本調味料」とは?

調味料へのこだわりが、料理上手への早道

 食材を買い、料理を作って食べる。誰もがしている普通のことだけど、その味は、料理のウデはもちろんだが、実はほぼ食材の良し悪しで決まる、というのが定説。
 たとえば「玉子焼き」や「味噌汁」。卵、醤油、塩、味噌などの食材がよいものだったら、マズく作る方が難しい。つまり、毎日使う食材を美味しいものに変えるだけで、いつもの「食」は格段にレベルアップするのだ。そして体に良いものなら、元気にもなる。そこで、まずは塩や醤油など、毎日使う調味料をおいしいものに変えてみるべきだ。
 全国、海外からおいしい食品・食材をセレクト販売するグローサリーストア「FOOD & COMPANY」(東京・学芸大学)の取締役&バイヤーの谷田部摩耶さんに、おいしい基本調味料を紹介してもらった。

「奥能登海水塩」(756円/200g)

料理のレベルが格段にアップする秘密【1】超優秀な「基本調味料」とは?

 石川県金沢市の「能登製塩」が作る海水塩。国定公園に指定されている奥能登の美しい海水を原料にして、独自の製塩システムで作る。直火をではなく低温で四昼夜じっくりと結晶化させているため、海水本来の成分を損なわずミネラルが豊富な上、まろやかな口当たりとほのかな甘みが特徴。サラダや天ぷら、お肉や魚などのグリルなど、仕上げに振りかけてダイレクトに味わって欲しい。

みりん

「福純来 本みりん 三年熟成」(786円)

料理のレベルが格段にアップする秘密【1】超優秀な「基本調味料」とは?

 岐阜県加茂郡の「白扇酒造」の昔ながらの製法を守り続けてきた伝統のみりん。みりんは、麹の持つ酵素の力を利用して糖化・熟成させて作るため、麹作りが要。厳選した麹米から丹精込めて作る麹と、もち米、本格焼酎で三年寝かせたこちらは、角のないまろやかな甘みととろみで、そのまま飲んでもおいしい。料理に使用すれば、食材の旨みを引き立て、光沢ある照りを与えてくれる。料理人にもリピーターが多いとか。

ごま油

「京都山田のへんこ一番絞り ごま油」(540円)

料理のレベルが格段にアップする秘密【1】超優秀な「基本調味料」とは?

 京都「山田製油」が、伝統の味と香りを大切に、昔ながらの製法で作るごま油。職人技の釜炒りから、圧搾、湯洗い、自然沈殿、精製までの工程は約1か月。全体の3割弱しか取れない黄金色の1番絞りは、雑味が全くなく、香りが非常に高くて旨味が濃い。いつもの鍋や味噌汁といった汁物に数滴たらすだけで極上の味わいになる。山田製油では、ゴマを使った様々な商品もあり、スパイシーな「ごまスコ」や「ごまらぁ油」などもおすすめ。

醤油

「井上古式じょうゆ」(918円)&
「再仕込み醤油の出雲むらさき」(798)円

料理のレベルが格段にアップする秘密【1】超優秀な「基本調味料」とは?

 島根県、奥出雲の山々に囲まれた奥出雲町で、伝来の古式醸造法を守り続けている「井上醤油」。国産の大豆を一般の濃口醤油の2倍の量を使用し、天然醸造にこだわる。特に江戸時代から続く古式醸造蔵には、蔵付き酵母を始めとする有用菌がびっしりと住み着いており、この微生物の力が、豊潤で滋味溢れる醤油を生む。樽の香り、コク、旨味が強く、様々な料理の味をビシッと締める。古式醤油は何でも相性がいいが、まずは卵かけ御飯や焼き餅などシンプルに味わってみたい。また、再仕込み醤油は、古式醤油の2倍の成分を含み、塩味を感じさせない深みと粘りある甘み。お刺身やステーキなどに合わせると食材の旨味を引き立てる。

ワインビネガー

「グエルゾーニ モデナ産 有機白ワインビネガー」(1620円)

料理のレベルが格段にアップする秘密【1】超優秀な「基本調味料」とは?

 イタリア北部・モデナ地域の畑で究極の有機農法と言われる「バイオダイナミック製法」で丁寧に自家栽培されたぶどう100%を使い、酸化防止剤などの添加物を一切使わずに、自然製法にこだわったワインビネガー。ぶどう本来の爽やかなでフルーティな酸味とコクが特徴。お塩とこれさえあれば、野菜も肉も十分に美味しくなる。例えば、ラムチョップを作る際にも、塩とこれだけで十分に旨味が引き立ち極上の味になる。

おいしい食材の基準って何だ?

 というわけで、「FOOD & COMPANY」の店内にはこうしたこだわりの食材が約2000点も並んでいるのだが、いったい、どういう基準で選んでいるのか谷田部さんに聞いてみた。

料理のレベルが格段にアップする秘密【1】超優秀な「基本調味料」とは?

「FOOD & COMPANY」取締役&バイヤーの谷田部摩耶さん。今回紹介した基本調味料は、彼女も愛用しているものばかり。生産者の情報や食材の味、調理のヒントまでとても丁寧に教えてくれました。

 「ざっくり言うと、自分が好きかどうかです。付け加えるならば、自分が信頼できるかどうかですね。例えば、ワインビネガーのグエルゾーニは、オーガニック&ナチュラル食材の輸入を行う『カーサ・モリミ(代表・小林もりみさん)』から入れている食材です。小林さんは、イタリアに年に2/3いて、現地の生産者の方と密にコミュニケーションをとって築き上げた商品を、1つ1つ丁寧に日本に届けている方です。お会いして、お人柄や食材に対する姿勢がとても素敵で、もちろん商品も純粋に素晴らしい。ですから、小林さんが新商品を出す際は、必ずウチで出すくらい信頼しています。

 その他の商品も1つ1つ、どなたが選んでいるのか、どんな生産者さんが作っているのか、ということは大切な基準になります。そもそも食材は嗜好品ですから、おいしいという基準はありますが、100人中100人が好きと言うことはありません。ですから、私の場合、その商品の背景にいる人がどういうメッセージを持ってその商品を届けようとしているかが信頼の基準になります。商品が変わっても、そこはブレないと思うからです。

 うちの商品にはオーガニックが多いのですが、私が捉えるオーガニックとは、食品や環境に対する姿勢です。農薬を全く使わないことが正義ではなく、使うことが必要な場合もあります。ただ、行きすぎた食の生産は持続的ではないし、体にも地球にも負担の少ない方がベターだし、みんながハッピーになります。できるだけ、そこに近づくものの方がいいし、そういう考えで作られた商品は、口にした時、やっぱりおいしいと思うことが多いんです。そういう食材を集めているんです」

 今回、紹介した調味料は一般的な調味料より値段がやや高いかもしれない。しかし、ごく少量で食材の美味しさを引きたてるし、料理法もシンプルでいい。また、添加物が入っていないので体にも負担が少ない。つまり、結果的に総合的なコスパがいいのだ。紹介した商品を参考に、基本調味料を見直してみてはいかが。

(取材・文◎anko)

●SHOP INFO

FOOD & COMPANY

店名:FOOD & COMPANY

住:東京都目黒区鷹番3-14-15
TEL:03-6303-4216
営:11:00~22:00
休:無休(年末年始除く)
http://www.foodandcompany.co.jp