高級ボージョレ「オマージュ・ア・アンリ」は他のボージョレと何が違うのか?

祝解禁! 高級ボージョレ「オマージュ・ア・アンリ」は他のボージョレと何が違うのか?
食楽web

例年、11月第3木曜日に解禁を迎えるボージョレ・ヌーヴォ。ワイン愛好家が待ち望むこの一大イベントに登場するボージョレは数あれど、今年の注目株は老舗ワイナリー、アンリ・フェッシ社の高級ボージョレ「オマージュ・ア・アンリ」。厳選したぶどうの古樹から生みだされる、その希少な味わいのヒミツに迫った。

ボージョレ・ヌーヴォも多種多様。選びのコツは?

 新酒ワイン解禁のお祭り、として毎年盛り上がりを見せるボージョレ・ヌーヴォの発売。ワイン愛好家が多いとはいえ、なぜ日本でこんなに? と思う人もいるだろう。その理由は日付変更線にある。時差の関係で、本国フランスよりも約8時間早い、世界で最初にボージョレ・ヌーヴォを味わえるラッキーな国が日本なのだ。

 もともとボージョレ・ヌーヴォは、ワインの産地であるフランス・ブルゴーニュの美しき丘陵地帯ボージョレ地区で、その年に獲れたブドウ(ガメイ種)の品質を確認するためにつくられた試飲酒。つまり、よい畑で獲れた品質の良いブドウを、確かな技術によって醸造してこそ、おいしいボージョレワインが生まれるのであって、ボージョレだからおいしいわけではない。お祭り気分で、運に任せて買うのはお金を捨てるようなもの。年に一度のフレッシュな味わいを堪能できるこのチャンス、存分に楽しむには相応のボトルを選びたい。

ボージョレワイン委員会によると、2017年のブドウは高品質。そのボージョレは「豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい」という高評価を獲得している。
ボージョレワイン委員会によると、2017年のブドウは高品質。そのボージョレは「豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい」という高評価を獲得している。

 さて、ではどんなボージョレ・ヌーヴォを? と考えたとき、やはり品質と味わいに定評のあるワイナリーから選ぶのが間違いない。おすすめしたいのは、1888年の創業以来、約130年ものあいだ上質なボージョレワインをつくり続けている老舗アンリ・フェッシ社。ボージョレワインの上位格付けである「クリュ・デュ・ボージョレ」のスペシャリストとして知られている。

 というのも同社はボージョレ地区のなかでも特に品質の高いブドウを産出する10区画のうち、9区画に自社畑を所有しており、120年にわたり丁寧な手摘み収穫と伝統的な醸造方法にこだわり続けている。その安定したおいしさには定評があり、ボージョレ・ヌーヴォのコンクール「トロフィー・リヨン」では2015年・2016年・2017年と3年連続で最高金賞や金賞を受賞。ワインにうるさいパリのブラッスリーで支持を集めるほか、フランスやイギリスの高級ホテルやレストランでも人気を博しているのだ。

 そんなアンリ・フェッシ社から登場するボージョレ・ヌーヴォから、おすすめの銘柄をいくつかピックアップしてみた。新酒選びの参考にしてみてほしい。

先日開催された、アンリ・フェッシ社のボージョレ解禁イベントにて。同社のすべてのボージョレが試飲可能で、食の専門家やメディアが多数訪れた。
先日開催された、アンリ・フェッシ社のボージョレ解禁イベントにて。同社のすべてのボージョレが試飲可能で、食の専門家やメディアが多数訪れた。