白金豚×早池峰神楽のペアリングに挑戦!|みちのく岩手ワイン道中【2】

白金豚×早池峰神楽のペアリングに挑戦!|みちのく岩手ワイン道中【2】
限定醸造の白ワイン「早池峰神楽」と「白金豚」の角煮を合わせてみた | 食楽web

岩手県花巻市のワイン旅、第2弾。今回は岩手のブランドポークとワインのペアリング体験をレポート。

岩手のブランドポーク「白金豚」には甘口白ワインを!

 エーデルワインの白ワインの中でも「早池峰神楽」は、限定醸造の甘口で、柑橘系の香りが特徴の人気商品のひとつ。リースリング・リオン、ミュラー・トゥルガウという白ワイン用の品種でつくられている。早池峰神楽といえば、花巻市大迫に500年以上伝承される、ユネスコ無形文化遺産登録の神楽だ。その名が示すように、この地を代表するワインのひとつと言えるかもしれない。

 さて、この白ワイン「早池峰神楽」にぴったりのおつまみがあるとのこと。岩手のブランドポーク「白金豚(はっきんとん)」の角煮だ。白金豚は、花巻市内に本社を構える高源精麦株式会社が、飼育配合から出荷まで一貫体制で生産している豚肉で、プラチナポークとも呼ばれている。奥羽山脈の湧き水を、釜石で採掘されたミネラルたっぷりの鉱石で濾過した活性水を与えて育て、柔らかい肉質に仕上がっているのだそうだ。

「白金豚」の角煮。甘辛く生姜の風味がさわやかな味わいを演出している
「白金豚」の角煮。甘辛く生姜の風味がさわやかな味わいを演出している

 この白金豚の角煮は缶詰でも販売されており、肉みその瓶詰とともに「早池峰神楽」とのセット販売も人気のようだ。さっそく両者を合わせてみることにした。

 まず「早池峰神楽」をいただく。フルーティーで、ほんのりと甘い香りがする。ひと口含むと、マイルドな甘さが舌を包み込んでくれるようなやさしい口あたり。たしかに柑橘系の香りだ。軽く甘酸っぱい風味が口からのど、鼻に抜けていく感じがさわやかでいい。アルコール度数は9.5%とやや低め。これなら女性にも好評のはず。もちろん、デザートワインとしても楽しめそうだ。

 一方、白金豚の角煮はトロトロに煮込まれており、見るからに食欲をそそる。箸でつまんでも簡単には崩れないが、箸を入れるとサックリと割ける。いや、サックリというよりフンワリだ。さすが岩手の活性水で育ったプラチナポーク、柔らかくしっかりとした肉質だ。甘く煮込んであり、生姜の風味がまた絶妙。さわやかな味わいが口の中に広がる。

 両者はともに甘い味わいだが、一切ケンカすることがない。角煮を食べて「早池峰神楽」を飲むと、ふわりとした甘い香りが広がってくる。また、口の中に残った脂分をワインが洗い流してくれるので、さっぱりとした後味を楽しめるのもいい。天気のいい日にテラスなどでランチを楽しむときに、よく冷えた「早池峰神楽」を白金豚の角煮とともに味わうと、ちょっと幸せな気分にひたれるかもしれない。

(つづく)

(取材・文◎松本壮平)