日本三大酒処のひとつ、広島・西条の賀茂鶴酒造「広島錦」と料理のマリアージュを体験!

日本三大酒処のひとつ、広島・賀茂鶴酒造「広島錦」の食事ペアリングを体験した!
食楽web

 日本三大酒処といえば、兵庫県の灘、京都府の伏見、広島県の西条なのをご存じだろうか。そして、広島県東広島市・西条にある賀茂鶴酒造は、2018年8月に法人設立100周年を迎える老舗の酒蔵のひとつ。

日本三大酒処のひとつ、広島・賀茂鶴酒造「広島錦」の食事ペアリングを体験した!

 そんな広島を代表する賀茂鶴酒造が、7月26日に都内で新商品「広島錦」のプレス発表会を開催するというので行ってきた。

料理をよりおいしく食べるための食中酒としての「広島錦」

 賀茂鶴酒造は、明治6年に木村和平氏が創業し、大正7年に木村静彦氏が法人化。来年8月28日に100周年を迎える。それを記念して作られるのが「純米大吟醸 広島錦」「純米酒 広島錦」だ。

 広島錦の最大の特徴は、昭和の初めに姿を消した幻の酒米(さかまい)である「広島錦」と、かつて「賀茂鶴錦」と呼ばれた「協会5号酵母」で醸している点。

 今回のイベントでは、日本ソムリエ協会会長の田崎真也氏、BS-TBS「おんな酒場放浪記」に出演中の料理家・栗原友氏、賀茂鶴酒造の二号蔵杜氏・椋田茂氏を交えたトークショーも開催。

日本三大酒処のひとつ、広島・賀茂鶴酒造「広島錦」の食事ペアリングを体験した!

 日本酒にも精通している田崎氏は、純米酒と純米吟醸の広島錦について、下記のように解説してくれた。

日本三大酒処のひとつ、広島・賀茂鶴酒造「広島錦」の食事ペアリングを体験した!

純米酒 広島錦

【外観】透明できれいに輝く。プラチナのようなニュアンスが含まれたクリスタルな色調、輝きのあるお酒。
【香り】穏やかな中に少し華やかな要素も含んでいる印象。具体的には、ライラックの花のような品のよい華やかさ。少しだけスイカズラのような白い花の香り。白玉だんごのようなお米の上品でほのかな香り。生クリーム、ホイップクリームを口の中に含んだときのようなフワッとした乳製品の独特の香り。杏仁豆腐の杏仁のような香り。バナナやマスクメロンのようなフルーティさも少しあり、ライチのような白いイメージを感じる果物のような香りもある。
【味わい】賀茂鶴酒造らしさのある柔らかくふくよかな甘みを感じる。甘みの後に、旨みがのってくる。甘みに柔らかい旨みがのることで、さらにふくよかな印象が口中に広がる。酸味が非常に穏やかに全体に溶け込んでいる。最後に、ミネラル感と華やかなフレーバーとともに、余韻には上立ち香の優雅なイメージがそのまま残る。

日本三大酒処のひとつ、広島・賀茂鶴酒造「広島錦」の食事ペアリングを体験した!

純米吟醸酒 広島錦

【外観】純米酒同様に、プラチナの輝きを含んだクリスタルの色調。透明感がある。
【香り】純米酒よりぐんと華やか。ジャスミンやアカシア、ほんのり麝香(じゃこう)のような甘く粉っぽい香りを含み、少し複雑な印象が最初に感じられる。そのため華やかさの中にも深みがある。純米大吟醸は協会5号酵母に1801酵母を加えていることもあって、いわゆるリンゴの香り。ゴールデンデリシャスのコンフォートやキャンディのような印象。また、メロンや白桃、少しだけイチゴミルクのようなニュアンスも。純米酒の特長である、ミルキーな要素も少しあり、杏仁豆腐の中にフルーツが含まれているような、長く続く上品な余韻がある。
【味わい】第一印象は、ふくよかな甘みが感じられる。まろやかな甘みにつながりながら、純米酒と違うのは、その後に広がる爽やかな印象を与える酸味が、心地良いところ。少し緑を感じるような爽やかなニュアンスもある。そのままフレッシュ感のある印象が長く続き、アフターフレーバーとして、青竹を割ったようなハーブ系の香りが少し残り、フルーツの香りと調和している。

 筆者も解説を聞きながら試飲したものの、「スイカズラってどんな香りなのかしら?」と、自らの知識量の足りなさを痛感。とはいえ、ふくよかな甘みとキレの良さが適度なバランスで感じられる日本酒なので、これが食中酒として幅広いシーンで活躍するであることは間違いない。