週末、早起きして出かけたい! 蓮の名所でいただく最高に気持ちいい朝食

花より団子。蓮より朝食! しかも早朝限定の!

 団子といっても、ここでいう団子は朝食のことです。園内には3軒の茶店があり、観蓮会の朝にだけ提供される限定メニューがある。早起きした者だけが味わえるご褒美と思えば自然とテンションが上がる。

 茶店はそれぞれに風情たっぷりで、時代劇で見たことがあるような、黄門さまご一行がひと休みしに立ち寄りそうな、町娘が団子とお茶を運んできそうな、そんなロケーション。ここが横浜だということを忘れてしまいそうになる。関東最古の三重塔も風流この上ない。

 さて、まずは朝粥が楽しめる「三溪園茶寮」。粥にはゆかりのトッピング。甘酸っぱい赤紫蘇の香りが食欲をそそる。わさびとあられはお好みで。この日のおかず椀には切り干し、枝豆、黒豆、紀州梅干などが。さらに、温泉卵、香の物、赤だしときて、水ようかんまで。完璧な朝食だ。ご飯でなく、お粥。早起きした朝にお粥。これ以上の朝食は他にないような気がして、しばしご満悦タイムに入ります。

「三溪園茶寮」の朝粥1,100円(6:00〜9:00)。※内容は写真と異なる場合があります。
「三溪園茶寮」の朝粥1,100円(6:00〜9:00)。※内容は写真と異なる場合があります。

 続いて「待春軒」。ここでは麦とろ御飯を提供。夏本番に向けて滋養のあるものを食べたくなる時期ではある。先日の土用の丑の日にうなぎを食べ損じたというわけではないが、夏バテはしたくない。麦ごはんに大和芋とろろをたっぷりかけていただく。だし巻き、レンコンきんぴら、デザートには黒蜜寒天。なんというか、朝はこれくらいがちょうどいいというときがある。昼食タイムならば、麦とろには牛タンといきたいところだけれど、朝ならこれくらいがいいという人にオススメ。

「待春軒」の麦とろ御飯1,000円(6:00〜9:30)。限定100食。
「待春軒」の麦とろ御飯1,000円(6:00〜9:30)。限定100食。

 早朝限定メニューを提供するもう一軒「雁ヶ音茶屋」では、ホタテ貝柱、シイタケ、鶏肉入りの中華がゆを用意(6:00〜9:00)。葛切りのデザートがついて800円。画像なしで申し訳ないが、一口食べれば瞬く間に中華街へと誘われるはずだ(ほんとか?)。

 花より団子。蓮より朝食。失礼ながら、どれも特別珍しいというものではない。むしろ、馴染みのある和御膳の面持ちであったり、ボリュームが絶妙であったり、中華街へ誘われたり(?)と、三者三様なのだが、早起きして限定メニューにありつけるという特別感がそうさせるのか、見渡す限りの自然の景色がそうさせるのか、なんとも贅沢な気分にさせる朝食なのだ。