フランスで見つけた「コルクスクリュー」と「皮むき器」|モノ好きの食卓

フランスで見つけた「コルクスクリュー」と「皮むき器」|モノ好きの食卓
食楽web

 今でこそ日本の生活雑貨や工芸を扱う店をやっているが、元々は海外モノに目がなく、かつては買い付けの仕事をしていたこともあって長らく目は海外の方ばかりを向いていた。だから今でも海外製品は大好きなのだが、近頃は仕事柄、海の外に行く機会がめっきりなくなってしまったのは本当に寂しいかぎり。最近久しぶりにフランスとイギリスを旅行したので、彼の地で見つけたものをご紹介したいと思います。

 あまりお酒が飲めず、ワインなんて外食の際に気分で一杯飲むのがやっとなので普段家飲みすることなんてまずないのだが、時々友人がワインなんか抱えて家に遊びにきてくれることがある。そんなときだった。以前我が家にコルクスクリュー(ワインオープナー)がないなんて!とびっくりされたことがあった。まあワイン好きなら信じられないのもごもっともだろうけれど、だって必要ないから仕方がない。ただそんなこともあってコルクスクリューくらい用意しておかねばと思ってはいたのだがそのままにしてあった。

 今回パリに行って昔ながらの、サービス精神はまるでないがいい雰囲気の調理道具店で好みのコルクスクリューを見つけた。とにかくシンプルで無駄な装飾は一切なし、それなのに無味乾燥かといえばどこかほんのりと色気があるようなデザイン。こういうところがやっぱりフランスなんだよなあと感心してしまう。パッケージの箱もクラシックなグラフィックで好感度大!もちろん商品自体フランス製である。

 そしてすぐそばにあって目を引いたのが皮むき器、いわゆるピーラーというやつですね。でも日本のとはちょっと違う。日本によくあるのは、縦方向に皮を剥いていくヘッドが横長のタイプ。このタイプは中途半端に場所を取るのが気になっていた。それに対してこの皮むき器はりんごの皮むきのように横方向に皮を剥いていくタイプ。だからスッキリとペンシル型でツール立てに入れても場所を取らない。先の尖ったところでジャガイモの芽も取れる。値段も手頃でお土産にもちょうどいい。日本の料理道具も優れたものは多いけど、やっぱりこういうさりげなく気の利いた雰囲気を醸し出ているのはさすがメイドインフランスだなと思ってしまうのである。

●著者プロフィール

大熊健郎

大熊健郎

CLASKA Gallery & Shop DOディレクター。1969年東京生まれ。インテリア会社、編集プロダクション勤務を経て2008年CLASKAのリニューアルを手掛ける。同時に立ち上げたライフスタイルショップ「CLASKA Gallery & Shop DO」ディレクターとして、バイイングから企画運営全般を担う。
http://do.claska.com/