マンションギャラリーで思わぬ贅沢!「PIE&COFFEE mamenakano」のパイとエスプレッソ。【房総food記】

コーヒー好きの原点は両親の影響。店のテーマは『ツインピークス』!?

写真のチェリーパイ・ブルーベリーパイにアップルパイを加えた3種が、店の定番パイ。
写真のチェリーパイ・ブルーベリーパイにアップルパイを加えた3種が、店の定番パイ。

 ところで、この2号店には密かな裏テーマがあります。それが、仲野さんが熱狂する米国のドラマ『ツイン・ピークス』(!)。偶然にも、現在続編を放映中です。

「25年前の一作目の放映当時から見ていました。当時は中学生でしたけど、クラスで僕しか見ていなくて悲しかったなあ」と笑う仲野さん。当然イチオシは、劇中にも登場するチェリーパイです。他にもブルーベリーパイやアップルパイなどの定番メニューや、季節のパイ、キッシュやミートパイといった食事系のパイなども充実しており、朝から夜まで利用可能。パイ生地には、北海道産と千葉県産の小麦粉をブレンドし、発酵バターを加えているため、サクサクの食感と粉の香りがたまりません。どのパイも甘さを抑えてあるため、店のもう一つの主役であるエスプレッソともよく合います。

 コーヒー好きの両親の影響で、小学生の頃から自宅でコーヒーを入れる係だったという仲野さん。ドラマに出てくる食堂を真似て、自主的に買ってきたパイやドーナッツをコーヒーに添えて出すのが楽しみだったとか。思えばそれが、今に至る原点なのかもしれません。

「心の中ではずっと、ああいうカフェをやりたいって思っていましたね。あの頃の僕が、今の自分を見たらびっくりするだろうな(笑)」

 2号店が入居するマンションギャラリーの場所にも、いずれはタワーマンションが建つ予定。そのため、2号店は6年後までの期間限定営業となりますが、同時にここは新しい街づくりの足がかりになる場所でもあります。
 これから6年間で、ここはどんな街になるのでしょうか? もしかしたら、この店のパイとコーヒーを食べて、将来コーヒースタンドを始める、かつての仲野少年のような子もいるかもしれません。
 “千葉をもっと面白い街に”。仲野さんの言葉が胸に響きます。

オーナーであり焙煎職人の仲野慶さんは、幕張のお隣・稲毛の出身。「2号店は1号店のコピーではなく、僕の焙煎するコーヒー豆と他のスタッフの技術を組み合わせて、今までできなかったサービスを提供する場にしたい」と意気込む。
オーナーであり焙煎職人の仲野慶さんは、幕張のお隣・稲毛の出身。「2号店は1号店のコピーではなく、僕の焙煎するコーヒー豆と他のスタッフの技術を組み合わせて、今までできなかったサービスを提供する場にしたい」と意気込む。
店の前には「若葉三丁目公園」の芝生が広がる。「晴れた日にパイとコーヒーをテイクアウトして、ここでかぶりつくのは最高ですよ」と仲野さん。公園からは、“海浜幕張のツインピークス”(筆者命名)こと、幕張テクノガーデンのツインタワーを望む。
店の前には「若葉三丁目公園」の芝生が広がる。「晴れた日にパイとコーヒーをテイクアウトして、ここでかぶりつくのは最高ですよ」と仲野さん。公園からは、“海浜幕張のツインピークス”(筆者命名)こと、幕張テクノガーデンのツインタワーを望む。

●SHOP INFO

店名:PIE&COFFEE mamenakano(パイ&コーヒー マメナカノ)

住:千葉県千葉市美浜区若葉3-1-21 MAKUHARI NEIGHBORHOOD POD
TEL:080-4801-6632
営:10:00~18:30(L.O.18:00)(土日祝9:00〜)
休:不定休
カード:使用不可 駐車場:なし
JR京葉線「海浜幕張駅」から徒歩17分。「若葉公園」・「幕張総合高校」の各バス停から徒歩4分。
※価格はすべて税込表記。
※メニューはすべてテイクアウト可能。店内はスタンディング席のみ(ただし共有スペースにベンチあり)

●著者プロフィール

白井いち恵

千葉市育ち&在住の編集者・ライター。『千葉の本』『千葉の本2』(京阪神エルマガジン社)を手がけ、出身地・千葉県の知られざるおいしい&楽しいを大特集した。路線バス好きでもあり、著書に『東京バス散歩』(同上)。