旨い店はタクシー運転手に訊け!死ぬまで食べたい『伊吹』の中華ソバ

オススメは「淡麗」。水と煮干しだけのスープ。

淡麗
夜の部のメニュー「淡麗中華ソバ」750円。全国から集めた選りすぐりの一級品の煮干のみ使用した水と煮干だけのスープ。油も植物製で動物系は一切入っていない。作り始めた当初は名古屋系の濃厚出汁を煮干しだけで表現したいと思い作っていた店主の三村さんですが、関西の出汁文化に触れて衝撃を受けて、今では、三村さんにしか出せない唯一無二の究極のスープだと思います。

 今回、僕がお勧めしたいのは、夜メニューの「淡麗中華ソバ」です。これは、水と煮干しだけで炊いている澄んだ色のスープです。あっさりとか、さっぱりとかいう言葉で片付けられないので、まずは食べて欲しいです。
 一方「濃厚」中華ソバは、水と煮干しのスープに動物系の鶏ガラ・豚骨などを入れたスープ。ラーメン好きは濃い味が好きな人が多いのか、こちらの方が人気のようです。

濃厚
夜の部のメニュー「濃厚中華ソバ」800円。高級煮干のみを厳選して使用し、昼の中華ソバの倍の動物系で炊いた濃厚な煮干ラーメン。煮干を叩き潰すのではなく常に撹拌して煮干が崩れていくように作る。日によって使う煮干が違うのでブログに毎回アップしている。

 僕があえて「淡麗」をお勧めしたいのは、『伊吹』のご主人・三村さんの繊細な手仕事を感じて欲しいからです。ガタイがよく怖そうに見えるご主人ですが、その仕事は丁寧かつ細かくて、思わず見惚れます。
 僕が、この店に通い続ける理由は、その時々の煮干しの種類の変化と、その煮干しの炊き方を三村さんがじっくり考えて、至高の味を出してくれていることにあるんです。とくに「淡麗」は、そんな小さな楽しいブレを感じやすく、毎日食べても新鮮なんです。いやあ、死ぬまで食べたいですね。

 
淡麗と濃厚のスープ
左が「淡麗」、右が「濃厚」。スープの色の違いを見てください。この日の煮干しは九十九里背黒でした。