今、人気急上昇の「貴醸酒」とは?その蔵元を訪ねる【古酒店主の蔵元探訪】

まだまだある!味わい深い貴醸酒たち

深みのある熟成貴醸酒

今、人気急上昇の「貴醸酒」と、その蔵元を訪ねて。【古酒店主の「蔵元」探訪】

 10年熟成と20年熟成の貴醸酒。特定の年を付していないのは、ソレラシステムという、老舗うなぎ屋のタレと同じように継ぎ足し継ぎ足しで熟成させる手法をとっているためです。それぞれの表示年数より古い物を継ぎ足しており、20年熟成にいたっては30年以上経過しているものがブレンドされています。
 熟成は時間の経過による直線的な変化ではなく、華やかな香りを残しつつ香ばしい複雑な香り、深みのある酸と甘みが調和している10年、独特のスパイスに似た香りとしっかりとしたビター感と甘みのコントラストが特徴的な20年と、それぞれの個性を楽しめます。

チャレンジ貴醸酒

今、人気急上昇の「貴醸酒」と、その蔵元を訪ねて。【古酒店主の「蔵元」探訪】

 日本酒のラベルには日本酒度と言われる数値が記載されていることがあります。これは酒中に含まれる糖分の量を比重計で測ったもので、甘口・辛口の目安の一つとされています。「+」になるほど辛口と言われ、一方の「-」の数値が大きくなるほど甘口になります。一般的な日本酒で甘口と言われるものでも-5程度ですが、この六段仕込み貴醸酒は濃醇な甘口酒の限界に挑み-100を目指して造られたそうです。実際には-87だったそうですが、それでも濃厚な甘みと熟成によって濃醇で重厚な酒質になっています。
 クラッシュアイス、ロック、ソーダ割り、カクテルベースなどいじりがいのある一本です。