漁師町・浦安の“ロックな魚屋”、見参!<前編>【房総food記】

千葉在住ライターが、東京の友人に自慢したい、“ピーナッツだけじゃない”県内のおいしいものを気ままに紹介。房総を拠点にした「食」にまつわるあらゆるものを見つめた、飲んで・食べて・知る千葉の風土&food記です。

「鮮魚 泉銀」が教えてくれる、
未知で美味なる魚食文化。

(千葉県浦安市)

森田さんがボーカルをつとめる世界初(?)の“フィッシュロックバンド”「漁港」(※「港」の文字は反転表記)は、2004年にマキシシングル『鮪』でメジャーデビュー。現在のメンバーは、森田さん(右)とギターの深海光一さん(中央)。7月にはバンドの写真集も発売予定!
森田さんがボーカルをつとめる世界初(?)の“フィッシュロックバンド”「漁港」(※「港」の文字は反転表記)は、2004年にマキシシングル『鮪』でメジャーデビュー。現在のメンバーは、森田さん(右)とギターの深海光一さん(中央)。7月にはバンドの写真集も発売予定! | 食楽web

 某テーマパークがあることで知られる千葉県浦安市。その駅前に、魚への愛を歌いまくる一風変わった魚屋さんがあることをご存知でしょうか?

 店の名は「鮮魚 泉銀」(いずぎん)。駅北口から徒歩3分の「浦安魚市場」で代々続く鮮魚店ですが、三代目店主・森田釣竿(つりざお)さんは、なんとロックバンドのボーカルを兼務(!)。その話術とサービス精神は折り紙付きで、2016年には水産庁から魚食文化の普及・伝承に貢献する「お魚かたりべ」にも任命されたほどです。

 一番の魅力は、その品揃えと鮮度の良さ。看板商品である天然ミナミマグロとクジラを筆頭に、全国各地から知られざるおいしい鮮魚が届きます。例えばこの日の目玉は、8年ぶりに入荷したという北海道産の「オオカミウオ」。名前通りのグロテスクな外見に反して、身は淡白な白身。これをフライやソテーにすると絶品だなんて聞いてしまうと、怖さも忘れて、一気に食欲と親近感がわいてきます。

「珍しい魚が入荷した時は、子供たちにも見てほしいから、なるべく実物大を店頭に並べてるの」と森田さん。魚類学者でタレントのさかなクンの影響で魚に興味を持つ子供も多く、レアな魚を見せてあげると、目の輝きが違うのだといいます。