初夏の休日は「ソングバード」のビールとともに。【房総food記02】

千葉在住ライターが、東京の友人に自慢したい、“ピーナッツだけじゃない”県内のおいしいものを気ままに紹介。房総を拠点にした「食」にまつわるあらゆるものを見つめた、飲んで・食べて・知る千葉の風土&food記です。

木更津の風土をとじこめた、
「ソングバード」の手づくりビール。

(千葉県木更津市)

 いよいよ初夏到来! 気温も上がり、なにかシュワシュワした飲み物……そう、まさにビールのおいしい季節がやってきましたね。

 ビールといえば、すっかりお馴染みになったクラフトビール。全国各地に個性と志のあるブルワリー(ビール醸造所)が増え、味も品質も向上の一途にありますが、ここ房総にも気鋭のブルワリーがあります。それが、2015年に木更津に誕生した「ソングバード」。浦安や佐倉、南房総などに続いて誕生した県内5軒目のクラフトビール醸造所で、主にベルギースタイルのビールを手がけています。

初夏の休日は「ソングバード」のビールとともに。【房総food記02】

「ソングバード」を営む醸造家の中島恭平さんと、それを支える妻・モナミさん。木更津はモナミさんのおじいさんの家があった縁のある土地。 | 食楽web

ローカル線沿線にある、
アットホームな醸造所。

「ソングバード」は、平日は醸造に専念し、金曜日から日曜日までの週末だけ、醸造所の一角で直販&角打ちスペースの「ボトルショップ」を開いています。

 以前、都内のビアパブでその味を知ってから、いつか醸造所を訪ねてみたいと思っていたので、この日はもちろん飲む気満々! 電車に乗って「ソングバード」へ向かうことにしました。JR内房線・木更津駅まで来たら、駅構内から乗り継げるJR久留里線へと乗り換えます。

初夏の休日は「ソングバード」のビールとともに。【房総food記02】

電車で向かう場合は、JR木更津駅で久留里線に乗り換えて、二つ目の「上総清川駅」で下車。片道190円。久留里線は、JRながらワンマン運転・ICカードが使えない、超ローカル線だ。

 JR久留里線は、木更津駅(木更津市)から上総亀山駅(君津市)までをつなぐ盲腸線です。途中で城下町&名水の里として知られる久留里を経由し、終点の上総亀山には釣り好きには知られたダム湖・亀山湖があります。

初夏の休日は「ソングバード」のビールとともに。【房総food記02】

「ソングバード」の最寄駅・上総清川駅に到着! ホームは一つだけの単線の無人駅。上りも下りも1時間に1本だけ。列車はこれから久留里方面へと向かう。

 駅から醸造所までは徒歩5分ほど。駅前の「清川交差点」で踏切をわたって道沿いに進むと、やがて右手に「SONGBIRD」と書かれた大きな白い看板(冒頭の画像)とお店があらわれます。(購入だけという方はもちろん車での来店も可能。店の前には3台の無料駐車場があります)。

 早速、駆けつけついでにビールを一杯! この日タップにつながれていたのは、定番商品の「ブロンド」と「モデルネ」、そして春限定の季節商品「モチュエカ ペールエール」でした。

初夏の休日は「ソングバード」のビールとともに。【房総food記02】

この日は定番の「ブロンド」を注文。週末限定の直売&角打ちスペース「ボトルショップ」では、基本的に定番商品1種・季節商品2種のビールがタップにつながれており、その場で味わえるのが嬉しい。すべて1杯500円税込。(※フード提供はなし)

初夏の休日は「ソングバード」のビールとともに。【房総food記02】

ラベルありの4種が定番商品、ラベルなしの瓶のみのタイプがこまめに入れ替わる季節商品だ。水色のラベルが「ブロンド」、青色のラベルが「モデルネ」。ほかに、紫色のラベルが木更津の野生酵母を使用した「ブレッタ・テーブルビア」、黄緑色のラベルが「ウィート」。

 通年飲める定番商品は4種類。まず、「ブロンド」は、「ソングバード」のビールの核となる存在。アルコール度数は5%と軽く、香りと苦味のバランスが良くて、こちらのビールを初めて飲む人にもオススメの銘柄です。

 一方の「モデルネ」はアルコール度数が8.5%と高めで炭酸も強く、これからの季節にうってつけの1本。「ウィート」は、小麦麦芽とコリアンダーを使用した「小麦ビール」で、こちらも口当たりが軽くて飲みやすいビールです。

 そして、木更津の野生酵母を使って仕込むのが「ブレッタ・テーブルビア」。自宅のまわりの自然から採取した様々な野生酵母(ニホンミツバチのハチミツから起こしたもの、自宅の庭に咲いた椿や梅の花から起こしたものなど)を用いているため、まさに木更津の風土を味わえる、ここでしか飲めないビールなのです。また、野生酵母を使ったビール醸造は、通常のビール醸造とは違って意図した味を継続して出すことが難しい面もあり、日本ではまだまだ珍しいため、そういう意欲も応援したくなります。

 ほかにも、季節ごとに入れ替わる旬のビールがあり、年間20~30種類ほどを醸造しています。

「うちは、わざと定番商品を少なくして、その分旬の素材を使ったビールを色々つくっています。だからビールで季節や木更津の風土を感じてもらえたら嬉しいですね」(中島さん)。