「サラダスピナー」は、サラダの美味しさを左右する、縁の下の力持ち【ザ・キッチン道具マスター09】

かしこい道具さえあれば、腕はなくともおのずと料理のレベルはアップする。道具で楽しむ・道具でラクする料理エディター、Amiyumiの “道楽料理”。

「サラダスピナー」は、サラダの美味しさを左右する、縁の下の力持ち。

食楽web

 美味しいサラダの条件は何かと聞かれたら、ふつうは、新鮮な野菜を使うこと、手作りのこだわりドレッシングで…などとこたえるに違いない。でも、忘れてはいけない。サラダの美味しさを左右するのは「水切り」である。そう、サラダにみずみずしさは必須だが、水っぽさは必要なし。どんなに新鮮で美味しい野菜を使っても、ちゃんと水切りできていないと、美味しさは半減する。こだわりドレッシングも皿の底に流れるだけ。パーフェクトな水切りは、“ドレッシングのり”を劇的に向上させてくれる。

 というわけで、美味しいサラダを連想できただろうか。ならば、キッチンペーパーで野菜を拭いている場合ではない。「サラダスピナー」の出番である。サラダスピナーは、ザル状のバスケットを回転させて遠心力で水分を飛ばす道具だ。回転させる方法も、ハンドルを回すもの、コマの原理でヒモを引いて回すもの、レバー状のものを押し上げたり、突起部分をプッシュさせて回すもの……このあたりは何で回っているのか私にはわからないが、とにかくいろいろある。

 今回は、プッシュ式を使ったが、「押すだけ」だから、ハンドルを回すよりラクである。でも、威力ではハンドルタイプは使い手の腕力次第なので、無限ともいえる。

 さて、水切りの重要性をしっかりインプットしたところで、ぜひ作ってみたいのがチョップドサラダである。このサラダの特徴はとにかく野菜をこまかく切ること。細かく切るということはそれだけ水分がでるということなので、まさに水切りこそが味の決め手になるのだ。逆にいえば、水切りさえできれば、後は自由に好きな材料で、好きなドレッシングで楽しめるサラダである。というわけでレッツスピン。

水切りが決め手「チョップドサラダ」のレシピ

水切りが決め手「チョップドサラダ」のレシピ

材料を細かく切る以外にはこれといった定義がないチョップドサラダ、材料が細かい分、“ドレッシングのり”がいい。かけ過ぎにはご注意を。

材料(1~2人分)

キヌア……大さじ4
サニーレタス……2枚
ロメインレタス……2枚
紫キャベツ……2枚
チコリ……2枚
セロリ……1本
きゅうり……1/3本
ブロッコリー……適量
ミニパプリカ(オレンジ・赤)……各1個
マイクロトマト……10粒
ナッツ(くるみ・アーモンド)……各大さじ2
【ドレッシング】
オリーブオイル……大さじ2
酢……大さじ2
塩……小さじ1/2
砂糖……小さじ1/2
粗挽きこしょう…小さじ1/2

作り方

1.キヌアは芯がなくなるまでたっぷりの湯で茹でて(10分程度)ザルに上げておく。ブロッコリーも茹でてザルに上げておく。

2.野菜類はよく洗ってサラダスピナーにかけてから、小さく切る(ナッツやマイクロトマトは切らなくてよい)。

3.ドレッシングの材料を混ぜ合わせる。

4.大きなボウルに2の材料を入れ、ドレッシングをかけて和える。(和えずにかけてもよい)

5.すべての材料を器に盛りつける。
*切った野菜の水分が気になったら、ドレッシングで和える前に、再度サラダスピナーにかける。

こちらスピン中のサラダスピナー

こちらスピン中のサラダスピナー。私は、ハンドルを回すタイプと、プッシュ式のタイプを迷って、ラクなプッシュ式を購入した。

●著者プロフィール

写真・文/Amiyumi

東京都出身・多摩地区在住。料理エディター歴20年。手掛けた書籍や雑誌は数知れず。日々翻弄される仕事の合間の休息地として、キッチンとキッチン道具をこよなく愛する。