野菜農家「キレド」がある幸せ<前編>【房総food記01】

千葉在住ライターが、東京の友人に自慢したい、“ピーナッツだけじゃない”県内のおいしいものを気ままに紹介。房総を拠点にした「食」にまつわるあらゆるものを見つめた、飲んで・食べて・知る千葉の風土&food記です。

「キレドベジタブルアトリエ」の野菜ギュギュとピタサンド

(千葉市若葉区&四街道市)

 突然ですが皆さん、「千葉市」についてどんなイメージをお持ちですか? 東京まで快速で約40分。海にも近く、のんびりしていて暮らしやすい街ですが、房総の県庁所在地としての存在感は確かに薄い……。なかでも田園地帯が広がる若葉区は、自然豊かな反面、ちょっぴりマイナーな存在。千葉市民である私もそこはあえて否定しません……うう。

 そんな同区内に彗星のように登場したのが、2015年オープンの野菜カフェ「キレドベジタブルアトリエ」。お隣の四街道市で野菜農家「キレド」を営むクリタタカシさん・ケイコさん夫妻が、自家製野菜の美味しさを知ってほしいとはじめたお店です。

野菜農家「キレド」がある幸せ<前編>【房総food記01】

クリタさん夫妻の畑は、お店のある千葉市若葉区の隣、四街道市にある。月に3日ほど船橋市内などにキッチンカー(移動販売車)を出店中。 | 食楽web

畑の四季をつめこんだカラフルサンド

 看板メニューは、旬の野菜を使った「野菜ギュギュッとピタサンド」(単品780円、スープセット980円、ともに税込)。自家製ベジカレーを筆頭に、揚げ物や炒め物、グリーンサラダなどの10種類の日替わりの具材が、薄焼きのピタパンのなかにギュッとつめこまれています。

野菜農家「キレド」がある幸せ<前編>【房総food記01】

どうです、このビジュアル! 思わず歓声を上げてしまうほど盛り沢山な「野菜ギュギュッとピタサンド」。奥に見えているのは自家製チリソース「ハリッサ」。具材に少しずつつけて食べると味にさらにコクが出る。アイスコーヒー450円(税別)は、四街道の人気コーヒー豆専門店「たべいコーヒー」の豆を使用。

 このピタサンドの発案者が、カフェ担当でもある妻・ケイコさん。夫のタカシさんとともに様々なマルシェに野菜を出荷するうちに、野菜の食べ方自体も提案したいと考えるようになり、2013年から自家製野菜を使ったファストフードの移動販売を開始。そのときに看板メニューにしたのが、このピタサンドでした。

「実はこのお店も、最初はカフェにする予定ではなかったんです。キッチンカーでの出店のための仕込みや加工場にするつもりが、空間が思ったよりも広くて、しかも路面店を借りることができたので、せっかくなら暮らしを彩る”いいもの”が好きな方々が集えるようなお店を作ろうと思って、こういう形になりました」。

野菜農家「キレド」がある幸せ<前編>【房総food記01】

取材時の具材は、北海道のジャガイモ「ノーザンルビー」のホワイトソースがけなど。収穫後に長時間冷蔵庫で貯蔵された「キレド」のジャガイモは、驚くほどの甘さ。自家製ベジカレーなどがたっぷりと詰め込まれ、肉類なしでも食べ応えあり。

野菜農家「キレド」がある幸せ<前編>【房総food記01】

ピタサンドを注文すると小皿で提供される「ハリッサ」は、お店でも購入可能。1瓶600円(120ml)。北アフリカなどで食べられているチリソースで、薬味使いやパスタソースなどに混ぜて食べるのも◎。

野菜農家「キレド」がある幸せ<前編>【房総food記01】

カフェを切り盛りするクリタケイコさん。芸術系大学の同級生である夫・タカシさんとともに、二人の抜群のセンスでまとめられた店内は居心地がよく温かみがある。