「カッティングボード」をテーブルに!【ザ・キッチン道具マスター05】

「カッティングボード」をテーブルに!【ザ・キッチン道具マスター05】
食楽web

かしこい道具さえあれば、腕はなくともおのずと料理のレベルはアップする。道具で楽しむ・道具でラクする料理エディター、Amiyumiの“道楽料理”。

グラスワインとカッティングボードの話

 最寄りの駅ビルがリニューアルし、食材店の一角に、小さなワインバルができていた。そこで、夕飯の買物にも疲れたし、アペロでも、とグラスワインを注文。おつまみに生ハムをお願いする。食楽読者はワイン好きが多いと思うが、私もその一人だ。1、2杯、さくっと飲みたいときに頼むグラスワインがまた美味しい。

 でも、これが問題なのだ。グラスにワインが注がれるとき、ついつい、グラスをチラ見してワインの量をチェックしてしまうのだ。そして、顔にこそ出さないが、心の中で、「もうちょい、もうちょい!」と声なき声をあげ、店員さんが去った後、量が少なければ「こじゃれた店はこれだからヤだなー」と心の中で捨てゼリフを吐き、多ければ「ふふふ、こんなに注いじゃって新人さんかなー。店長に気づかれる前に飲んじゃおう」とほくそ笑む。グラスワインのお陰で、コソクな性格になりそうだ。できれば、メニューにグラスワイン何ccなどと明記しておいていただけるとありがたい。

 さて、今回のテーマはカッティングボードだったはずなのが、なぜ、ワインの話をしているのか。ワインバルでグラスワインを注文し、おつまみに生ハムを頼んだ……そうそう、生ハムは、木製のカッティングボードに並べられてきたのだ。そこで、思った。最近、カッティングボードをよく見かけるなーと。雑貨やキッチンツールの店はもちろん、食材店に積まれていたり、カフェやバルでは生ハムやパンが、肉バルではグリルがサーブされてきたり……。本来は、食品をテーブルで切り分ける道具だが、お皿代わりによく使われている。料理雑誌やWEBのテーブルコーディネートにもしばしば登場。ナチュラルでおしゃれなテーブルコーディネートの必須アイテム的存在になりつつある。

 生ハムやチーズをきれい目に盛りつけるのもよいが、どうせなら、少しタガをはずしてみたくなり、大き目のカッティングボードをチョイス。ロックフォール、パルミジャーノレッジャーノなどのチーズは切らずに砕いて、ベビーリーフ類、ハーブ類、ラディッシュ、ボイルエビ、ハム類と思いつくままに並べる。冷蔵庫にあったヤングコーンの水煮、ブドウも加えちゃえー、ということで完成したのがトップの写真。これなら、家族や友達と一緒に飲みながら盛りつけても楽しいし、家飲みでもウケそうだ。さて、興が乗ったところで、次は、ガラッと趣向を変えて、カッティングボードに鯛の昆布締めとスモークサーモンを盛りつけてみる。

「カッティングボード」をテーブルに!【ザ・キッチン道具マスター05】

 材質はオリーブ、ナラ、くるみ、オーク、チェリーなど種類も豊富。形もサイズもいろいろ。キャンバスに絵を描くようにカッティングボードに盛りつけてみよう。