耳からかじりたい「うさぎ食パン」。新高円寺の新名物を作ったパン職人がスゴイ!

2017年3月に東京・新高円寺にオープンした『ベーカリー兎座LEPUS』の食パンが“うさぎの形”をしていて可愛すぎる!と話題になった。現在でも整理券が出るほど大人気。しかもリピーター率が高いのだ。可愛いだけではない秘密があるとにらみ、さっそく調査に向かった。

耳からかじりたい「うさぎ食パン」!新高円寺の新名物を作ったパン職人がスゴイ!
食楽web

 丸ノ内線・新高円寺駅から徒歩3分ほどの場所にある『ベーカリー兎座LEPUS』。店先には大きな旗がはためき、ひときわ目を引くが、一見するとパン屋さんというより、和菓子屋さんのような佇まいである。

 事前アポなしで、「うさぎ食パンのことでお話を伺いたい」とスタッフの方にお願いすると、快く承諾してくれた。店の奥から登場したオーナーシェフ東山伊織さんは、ニコニコしながら「宜しくお願いします!」とぺこり。ものすごく腰の低い方である。

「うさぎ食パン」300円。焼き上がり時間は、10:00、11:00、15:00、17:00の4回。
「うさぎ食パン」300円。焼き上がり時間は、10:00、11:00、15:00、17:00の4回。

 経歴を聞けば、東山さんは、恵比寿『ラ・ブティック・ドゥ・ロブション』でスーシェフ(副料理長)を約6年務めていたという。ミシュランの三ツ星レストランを手がける、ジョエル・ロブション氏監修のパティスリー&ブランジェリーである。そんなスゴイ方だと知らず面食らっていると、
「最初はドンクに入って、店は4軒変わりましたが、17年間、パン一筋。あとは趣味で、アニメにハマっていました」と笑う。さらに、「実家が群馬で和菓子屋をやっていたんです。また、曽祖父は、あの『舟和』の芋羊羹を作った人なんです」と、ものの数分で多彩なバックボーンを教えてくれた。

オーナーシェフの東山伊織さん。後ろの壁には、友人が描いてくれたというアニメが飾られている。
オーナーシェフの東山伊織さん。後ろの壁には、友人が描いてくれたというアニメが飾られている。

「“うさぎ食パン”が名物の店になってしまいましたが、本当は、ロブション時代からやってきたクロワッサンや季節の野菜を使ったフォカッチャをメインにしたかったんです。また、和菓子職人の父と一緒にやっているので、その技術を取り入れたオリジナルの創作パンなども看板商品にしたかった。ところが、予想外にうさぎ食パンが流行ってしまって、僕自身もびっくりしているんです」