パンが器の絶品グラタン!鶯谷『DEN』の「グラパン」と「デミグラパン」が激ウマ!

鶯谷『DEN』のロングセラー「グラパン」の新メニュー「デミグラパン」が激ウマ!
食楽web

東京・鶯谷の喫茶店『DEN』の「グラパン」といえば、超厚切りパンに入った豪快なグラタンで、約40年続く超ロングセラーだ。その「グラパン」シリーズに、土日祝限定で“牛スジシチュー”入りの「デミグラパン」が登場し、じわじわと人気になっている。そこでさっそく調査をしてきた。

「グラパン」は、昭和の大発明だ!

 厚さ8cmほどのトーストにアツアツのグラタンが入った『DEN』の「グラパン」。40年ほど前に誕生したのだが、最近、様々なメディアで取り上げられ、今や“鶯谷”の名物と言っても過言ではない。

「グラパン」のユニークさは、言うまでもなく、器がトーストであることだ。毎朝到着する焼きたての食パン1本(3斤分)を4等分に切り分け、8cmの食パンの中をくりぬいて器にしたところに、自家製グラタンをたっぷり入れて焼き上げる。最近では似たメニューを見かけることもあるが、こちらの店が元祖である。

「グラパン」(エビ、ハム、ベーコンMIXバージョン)850円。ドリンク(コーヒーor紅茶orウーロン茶)セットで980円。ちなみにエビのみ、ハムのみというバージョン(同額)もある。
「グラパン」(エビ、ハム、ベーコンMIXバージョン)850円。ドリンク(コーヒーor紅茶orウーロン茶)セットで980円。ちなみにエビのみ、ハムのみというバージョン(同額)もある。

 その「グラパン」に、昨年から新メニュー「デミグラパン」が登場し、密かに話題になっているというのだ。
 しかし、「デミグラパン」を紹介する前に、そもそも「グラパン」を知らない人もいると思うので解説しておこう。

「グラパン」は、厚切りの食パンと、そのくり抜かれた中身の食パンが揃って登場する。最初はお行儀良く、中身のグラタンをスプーンですくい、両脇のくり抜かれたパンに浸して食べる。ベシャメルソースのバターとミルクの味が濃厚で、具材のエビやハム、ベーコンの塩気がアクセント。

丁寧につくられたグラタンはそれだけでおいしい。
丁寧につくられたグラタンはそれだけでおいしい。

 それが終わると、今度は、スプーンとフォークを使って、器(トースト)の内側を剥がしつつ、グラタンソースにからめて食べる。側面を削りながら食べるので、「ホジホジ食べ」と勝手に命名。これが信じられないくらい美味しい。グラタンによって湿った内側のパンはお餅のように柔らかくなっていて、そのムニュムニュした食感とグラタンの相性は、未だかつて経験したことがない感覚だ。

側面の食パン部分はお餅のような食感。
側面の食パン部分はお餅のような食感。

「トーストを器にするなんて、大発明だな~」などと感激しながら、ひたすら、ホジホジが止まらない。気づくと、器の壁は極薄状態になる。そしてパンの耳が好きな人にとってはたまらない至福の時が訪れる。

 ちぎっては食べ、ちぎっては食べ、グラタンソースがほんのり付いたカリカリの耳の香ばしい味わいは格別。これは「ちぎり食べ」としておこう。どこまで食べていいのかわからないが、グラタンの残っている部分の壁だけは決壊しないように注意しつつ、べりべりと食べ続けてしまう。結局、器丸ごと完食!

 こうして、全部食べてみると、「グラパン」の偉大さがよくわかる。トーストと濃厚な味のグラタンを一緒に味わえる上に、この尋常ではない厚切りトーストだからこそ、様々な食感を一心不乱に味わえるのだ。やはり「グラパン」は、“昭和の大発明”だと思う。