レモンサワーを愛する人々へ。門前仲町の名店『酒肆一村』がこだわりすぎている!

「味覚」をフルに使って楽しむ新感覚のレモンサワー

「居酒屋と言えばレモンサワー、バーと言えばジントニック。この2つをフュージョンしたオリジナルのカクテルです」(大野氏)
「居酒屋と言えばレモンサワー、バーと言えばジントニック。この2つをフュージョンしたオリジナルのカクテルです」(大野氏)

 大野さんが設定した「五味を楽しむ」という隠しテーマもこのレモンサワーの醍醐味。五味とは、いわゆる甘味、酸味、塩味、苦味、うま味のこと。これらすべてを「酒肆一村」のレモンサワーたちは備えている。
「自分自身、味覚の研究にハマったのがきっかけで、例えば“甘い”ってなんだろう? と色々試す中で、大きく主張しないけど、『これが甘みか』という味覚の訓練みたいなことを、これらのレモンサワーで表現したかった」と言う。単においしいだけでなく、このレモンサワーはとても深い味わいを秘めているのだ。

「甘み」はリキュール“ANGOSTURA BITTERS”を使用し、香りも華やかに
「甘み」はリキュール“ANGOSTURA BITTERS”を使用し、香りも華やかに
「辛み」には、唐辛子と柚子こしょうのスパイスを加える
「辛み」には、唐辛子と柚子こしょうのスパイスを加える
仕上げに、5種類のレモンサワーすべて、レモンピールをトップに絞り、グラスのふちにも香りづけをする。レモンは国産の無農薬のものをフレッシュなうちに使用。舌と鼻の両方からレモンのジューシーさを堪能できる
仕上げに、5種類のレモンサワーすべて、レモンピールをトップに絞り、グラスのふちにも香りづけをする。レモンは国産の無農薬のものをフレッシュなうちに使用。舌と鼻の両方からレモンのジューシーさを堪能できる
初めてならば、まずは「名代」を
初めてならば、まずは「名代」を

 試飲させてもらったところ、キレのあるトニックの味とレモンの爽やかな香りがクセになる味。グラスは“うすはり”なので、レモンの香りが唇にダイレクトに伝わるのも面白い。「苦み」や「辛み」についても、どれも過ぎることなく、ほのかに感じる程度。「味覚のエデュケーション」を意図したという知的好奇心を刺激する一杯、ぜひお試しを。

 もちろん、レモンサワーだけでなく「酒肆一村」はつまみへのこだわりもスゴい。食べ歩きで出会ったつまみや酒から、料理のインスピレーションが湧いてくるのだそうで、例えば、定番メニューの「のり塩風ポテサラ」(500円)や「九条ネギとあおさ奴」(500円)などにも、酒が進むよう、何かしらひと手間を加えてある。とにかくセンスの良いつまみが揃っているので、ますます居心地がいい。

「バーに入る時の緊張感を味わってほしい」(大野氏)という思いから看板を出さず、ビルの2階でひっそりと営業しているが、決して敷居が高いわけではない。いざ入店してみると、温かく迎え入れてくれる。もちろん、オーセンティックな雰囲気は居心地バツグン。

 本物志向のレモンサワーやこだわりのアテをじっくり堪能してみてほしい。

(取材・文◎亀井亜衣子)

●SHOP INFO

酒肆一村(しゅしいっそん) 店内

店名:酒肆一村(しゅしいっそん)

住:東京都江東区深川2-1-2深川岡野ビル2F
TEL:03-5875-9963
営:18:00~25:00(フード23:15LO、ドリンク24:00LO)
休:日・月(不定休)