本場・讃岐を超えた!? 中野『花は咲く』が“うどんフェス”で大人気だった理由は?

ダシにも魂を!数値化してブレない味を作る

こちらも名物の「中野カレーうどん」950円
こちらも名物の「中野カレーうどん」950円

 こだわりは麺だけではない。旨みの原点となる出汁にも当然ある。かつお、まおり昆布、いりこ、うるめ、ゲソの5種類を贅沢に使用し、それぞれ最高の温度で管理して、丸1日かけて取り出す濃い出汁。

「うちでは“魂の出汁”と呼んでいます。これをベースにして、ぶっかけ専用の出汁を作ります。厳選した薄口しょうゆに昆布と椎茸を漬け込んで1か月以上熟成させた“辛みかえし”と、白ワインと赤ワインからフルーティさと旨みを取り出し、さらにお酒、みりんを足して味をととのえた“甘みかえし”を配合して造るんです」

 なるほど。「極上の肉うどん」のネーミングは、柔らかい和牛、柔らかなうどん、それをつなぎ、まとめ上げる“ぶっかけ出汁”が揃っているがゆえに、“極上”なのだ。

「僕は、このうどん屋を始める半年前まで、包丁を握ったこともなかった素人なんです。だから、うどん屋をやろうと決めてから、香川のうどん屋に修行に行き、また、素材となる粉、塩を全国各地から取り寄せて研究しました。僕は経験がないので感覚だけではできない。だから、味にブレがないように温度、配合、時間などすべて数値化し、把握しようと試作を何度も繰り返しました」

「僕は数字好き」と笑う相方さん。彼が初めて讃岐うどんを食べた時、「一杯で、こんなに幸せを感じるんだ」と感動したことが、うどん屋を始めるきっかけだったという。

「この時、大げさなようですが、うどんで日本を元気にしようと思ったんですね。子どもからお年寄りまで、みんなが笑顔になる一杯を出したい。スタッフみんな、そういう気持ちを持って毎日一杯一杯を作っているんです」

 オープン当初は、1日数十杯しか売れなかった店が、今では250杯以上が出る。今年は“うどんの全国大会”で2位という栄誉にも輝いた。「極上の肉うどん」を食べながら、美味しいね、と笑うお客さんたちを見て、『花は咲く』という店名がいろいろな意味でぴったりだな、と思った。

(取材・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

讃岐のおうどん 花は咲く

店名:讃岐のおうどん 花は咲く

住:東京都中野区中央4-6-12新中野マンション1F
TEL:050-5592-6490
営:月~土・祝11:00~15:30(L.O.14:45)17:00~21:00(L.O.20:00)、日11:00~15:30(L.O.15:00)
※麺がなくなり次第閉店する場合あり
休:なし
http://www.hanahasaku.com/