本場・讃岐を超えた!? 中野『花は咲く』が“うどんフェス”で大人気だった理由は?

日本一熟成が長いゆえの弾力

「彩4種野菜のかき揚げぶっかけ」850円。ニンジン、イモ、カボチャ、インゲンなどの無農薬自然野菜を米油で揚げて、胃にもたれしにくく、また衣を少量にすることで油の吸収も少なくしてあるので通常の野菜かき揚げより低カロリー。また、衣に出汁を混ぜ、隠し味にしている
「彩4種野菜のかき揚げぶっかけ」850円。ニンジン、イモ、カボチャ、インゲンなどの無農薬自然野菜を米油で揚げて、胃にもたれしにくく、また衣を少量にすることで油の吸収も少なくしてあるので通常の野菜かき揚げより低カロリー。また、衣に出汁を混ぜ、隠し味にしている

『花は咲く』のうどんは、オーナー・相方芳彦(さがた・よしひこ)さんが毎日製麺をしているという。そこで、まずはその製法について聞いてみた。

「ウチのうどんは、僕が知る限りでは日本一熟成時間が長いと思います。最初に粉をこねて3時間寝かし、次に“足踏み”を行い、その後24時間寝かせます。それから伸ばして切って麺にします」

 ここまでは一般的なうどん専門店と一緒だ。多くの店は、この麺を使って「打ち立て・切りたて・茹でたて」の“3たて”としてメニューに謳う。ところが、相方さんは「麺にしてからさらに丸1日、24時間寝かします」と言うのだ。

「つまり全部で48時間の熟成時間を置くのです。そうすることで、麺にもっちりとした弾力が出るんです。これがうちの麺でいう“コシ”なんです。このヒントは、じつは札幌ラーメンなんです。あの麺は、黄色くてつるつるしていてビヨンビヨンとお餅みたいに伸びるでしょ。麺にしてから5日間置いているそうなんです。そこで、うどんの場合はどうだろうといろいろ試してみて、僕の目指していた弾力のあるうどんは、“熟成時間丸2日”という時間が割り出されたんです」

 なるほど、コシは「弾力」なのだとよくわかった。でも、こちらのうどんはそれだけではない、もうひとつの大きな特徴「柔らかさ」についても聞いてみた。

「うどんは普通、中力粉を使いますが、ウチは薄力粉に限りなく近い成分量の粉を使います。国産の4つの粉を配合しているんですが、中でも三重県の伊勢うどんで使う粉を半分以上使っています。伊勢うどんって柔らかいでしょ。僕が目指した麺は、弾力がありつつ、柔らかいうどん。子供からお年寄りまで誰にでも食べやすくて、愛されるうどんを作りたかったんです」

オーナー・相方(さがた)芳彦さん(左)
オーナー・相方(さがた)芳彦さん(左)