『黒革の手帖』の“悪女”が食べた、由緒正しき「東京ラーメン」とは?

『黒革の手帖』の“悪女”が食べた、由緒正しき「東京ラーメン」とは?
食楽web

久慈清商店の「醤油らーめん」

 7月20日、テレビ朝日で放送がスタートしたドラマ『黒革の手帖』。松本清張原作で、これまで何度も映像化されてきた“悪女”のストーリーだが、今回の主演は武井咲さん。第1回の放送では、武井さん演じる銀行の派遣行員・原口元子が、1億8,000万円を横領するシーンが描かれている。

 その横領直後、原口元子がラーメンを食べるシーンがあった。「ひと仕事」終え、安堵と緊張が入り混じった状態で食べるラーメンとはどんな味だったのだろう。莫大な現金が詰め込まれたバッグをひざの上に抱えてラーメンをすする武井さんの横顔が印象的だった。

 このロケが行われたのは東京・中目黒にある「久慈清商店」。カウンターのみの小さなお店だが、昭和の香り漂う、懐かしい雰囲気のお店だ。さっそくチャーハンとともに“悪女・原口元子”が食べた「醤油らーめん」(650円)をいただくことに。できるだけ同じシチュエーションをと思い、別件の取材を済ませ、直後に打ち合わせの予定を入れた“安堵+緊張”の状態で食べてみた。

 麺がすべて見える透き通ったスープは、鶏をベースにアゴ出汁を加えているとのこと。あっさりとした味わいだが余計な味が一切なく、出汁のうま味を十分に楽しめる。麺は岩手県から直送される縮れ麺。厚めのチャーシュー、メンマ、なると、海苔がのった、昔ながらのラーメンだ。昨今多いパンチの効いた、ガツンと迫ってくる濃厚系のスープとは違い、じんわりと五臓六腑にしみわたる優しい味わい。なんとなくホッとできる。原口元子もこれを食べて、少しは緊張がほぐれただろうか。

 お店はご夫婦とおぼしき年配の男女が切り盛りしていた。私が厨房に近い席に座ろうとすると、男性が「そこ、暑いからあっちのほうがいいよ」と、涼しい席をすすめてくれた。女性も優しい笑顔で水とおしぼりを出してくれる。なんだか“実家”に帰ったような雰囲気に、思わず安堵した。

●SHOP INFO

店名:久慈清商店

住:東京都目黒区上目黒1-19-10 1F
TEL:03-5722-0133
営:昼11:30~16:00(月~土)
  夜[月~木]17:00~03:00(L.O.02:30) [金・土]17:00~05:00(L.O.04:00)
休:日