年間1800杯!“かき氷の女王”原田麻子さんが選ぶ、今夏イチオシかき氷の名店とは?

志むらのかき氷は「和菓子」!? そのこだわりを聞く

「志むらさんのかき氷は、どれも伝統的な和菓子の技術を基にしたシロップです。果物や素材を丁寧に仕込み、しかも繊細に削った氷と合わせるための考え抜かれた甘さ・食感のシロップだなと、深く感動します。この芸術的な味わい、そして美しい色、かたち。これを眺めつつ、儚く消えるかき氷を一気にいただくというのは、最高に幸せな瞬間ですね」と原田さん。

 常連の原田さんの紹介ということもあって、『志むら』の和菓子職人・江良さんにも直接お話を伺うことができた。
「すべてのシロップは、和菓子をベースに作るので、僕としてはシロップも和菓子でいうあんこを作っている感覚です。『ずんだ』や『つぶつぶ夏みかん』にも、実は白餡が入っています。あとは素材によって甘さのバランスを調整しているので、1個1個お砂糖も種類を変えています。素材も和菓子同様に吟味しています。『吟醸甘酒』などは、酒蔵さんのその年に一番出来のいい酒粕を譲ってもらって作っているんですよ」

 かき氷を食べるマニア、そして作るマニア。彼らの語りは、聞けば聞くほど奥が深い。

年間1800杯!“かき氷の女王”原田麻子さんが選ぶ、今夏イチオシかき氷の名店とは?
「志むら」の和菓子職人・江良さん(右)とは旧知の仲。

かき氷の醍醐味はどこにある?

 ところで、原田さんはかき氷の一体どこに魅せられているのだろうか?

「儚い氷に、シロップ1つ、一瞬で、こんなにも私を夢中にさせる。そこに作り手の気概みたいなものを感じるんです。「志むら」さんのかき氷も同じで、天然氷と純氷、両方扱っていて、儚い氷を薄く削り出し、それに合ったシロップを作ろう、という気概に感動するんです」

 さすが「かき氷の女王」の異名を持つ原田さん。すさまじく深い。
最後に、かき氷好きの間でよく話題に出る「天然氷」のかき氷について、彼女に聞いてみた。