お客のほぼ全員がオーダーするからあげの美味しさに迫る!|第11回【カラアゲニストの「から活」日記】『やきとり 宮川』唐揚げ定食

お客のほぼ全員がオーダーするからあげの美味しさに迫る!|第11回【カラアゲニストの「から活」日記】『やきとり 宮川』唐揚げ定食
食楽web

朝活、婚活、ソー活、妊活、終活……前代未聞の活動ブームの陰で、「から活(からあげ食べ歩き)」に余念がない、からあげのプロ=カラアゲニストたちがいることをご存知だろうか。これは、からあげの聖地・大分県中津市出身のライター松本壮平氏がお送りする、渾身のから活レポートである。

鶏料理の名店が出す上品な味わいのからあげ。

 明治2年、東京・築地に公営の食肉市場が開設され、昭和11年に現在の品川に移転するまでは、肉は築地界隈で取引されていたそうです。そのためか、付近の八丁堀や茅場町あたりは、おいしい肉料理を食べさせる名店が多いという話を耳にしたことがあります。

『やきとり 宮川』は、茅場町に数ある鶏料理の名店のひとつ。ランチタイムを外して11時を少し過ぎた頃に到着したのですが、お店の前はすでに6人待ち。それでも回転は早いようで、2分ほど待っただけで席に案内されました。

 周囲のお客さん、ほぼ全員が食べているのはからあげ。やはり一番人気のようです。当然私も〈唐揚げ定食・880円〉をいただきます。まずは、お冷、おしぼり、鶏スープにポン酢のようなつけ汁が出てきます。この鶏スープが絶品で、鶏ガラの旨みがよく出ており、塩と胡椒もきいているのでお酒のあとに飲みたくなるような味わい。実はこの鶏スープ、メインのからあげが出てくるまでに飲み干しておくのがポイントです。

 ここのからあげの特徴は、竜田揚げのような白い衣。見るだけでサクサク感が伝わってくる色彩に期待は高まります。骨なし2個、骨付き(手羽先)2個に、付け合わせがオーソドックスなキャベツでなく刻みネギというのも、なんとなくかわいらしい。あっさり系の塩味ですが、噛むと肉汁がじんわりと。濃い味付け、ガリッと固い衣のからあげを出すお店が多い中、ここのからあげはなんとも上品です。

 最初に出てきたつけ汁に軽く浸して食べてみます。酸味のほか、かすかな甘みもあるこのつけ汁に、刻みネギを合わせると、あっさり味のからあげに爽やかさが加わります。

 そして嬉しいことに、からあげと一緒に2杯目の鶏スープも出てきます。これがまた、からあげとよくマッチしていること……。食べながら飲むもよし、〆に啜るもよし。次回は夜に来て、お酒を嗜んだ後に、この鶏スープを味わってみようと思います。

●SHOP INFO

店名:やきとり 宮川

住:東京都中央区日本橋茅場町3-5-1
TEL:03-3668-7080
営:昼11:00~13:30、夜17:30~21:00
休:土・日・祝日

●著者プロフィール

松本壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。