味も見た目もインパクト大の手羽先からあげ|第9回【カラアゲニストの「から活」日記】『九州名物 とめ手羽・八重洲店』名物 とめ手羽・塩

『九州名物 とめ手羽・八重洲店』名物 とめ手羽・塩
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朝活、婚活、ソー活、妊活、終活……前代未聞の活動ブームの陰で、「から活(からあげ食べ歩き)」に余念がない、からあげのプロ=カラアゲニストたちがいることをご存知だろうか。これは、からあげの聖地・大分県中津市出身のライター松本壮平氏がお送りする、渾身のから活レポートである。

美味しさの秘密は素揚げの皮にあり!

 モモ肉、ササミと並んで鶏肉の人気部位のひとつ、手羽先。ほかの部位よりもゼラチン質が豊富で、モモのからあげとはひと味違った旨みを堪能できます。

 最近は手羽先からあげ専門のお店が増えていますが、ここ『九州名物 とめ手羽』は、私にとってはちょっと特別な存在。今回は全国に31店舗あるうちの八重洲店におじゃましました。

からあげグランプリ・手羽先部門で最高金賞1回、金賞6回を受賞した〈名物とめ手羽〉。数年前、相当おいしいとの情報をキャッチしていた私は、友人数名と偵察に行きました。初めてここの手羽先を食べて思わず「うめぇ!なんじゃこりゃ!」と『太陽にほえろ!』のジーパン刑事のような声を上げてしまいました。

 1本(160円+税)からオーダーできるこの〈名物とめ手羽〉、見た目が独特です。一般的な手羽先は手羽中と手羽端をつなぐ関節が曲がって“く”の字の形をしていますが、ここの手羽先は串を通して真っすぐにのばした状態。これが案外食べやすいのです。

 両手で持って、手羽中部分にガブリ! とかぶりつくと、衣をつけない素揚げでここまでできるか、というほどのパリッと香ばしい歯ごたえ。軽い焦げ具合が香ばしさを増幅させます。この美味しさの理由は何だろう……? ずっと考えていましたが、今回の取材で発見できたようです。それはズバリ“皮”。

鶏の皮は食感が苦手という人も多いと聞きます。たしかに下手なからあげの皮には、時に臭みを感じて困惑するときがありますが〈名物とめ手羽〉の皮は心配ご無用。見事なまでにしっかりと揚がっており、これが衣の役目を果たしてくれています。歯を立てると「パリッ」という音とともに皮が一気に崩れ、肉汁たっぷりの肉と一緒になってくれます。

 塩加減が絶妙な〈名物とめ手羽〉のほか、秘伝の甘だれを絡ませた〈名物あま手羽〉もおすすめ。味も見た目もほかのお店にはないインパクト、さすが鶏肉文化圏・九州発祥のお店です。

●SHOP INFO

店名:店名:九州名物 とめ手羽・八重洲店

住:東京都中央区京橋1-11-2 八重洲MIDビルB1F
TEL:03-3563-8802
営:ランチ 11:30~14:00(平日のみ)
ディナー 月~金17:00~23:30/土・日・祝17:00~23:00

●著者プロフィール

松本壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。