日本酒を深く楽しむ「燗酒」の名店【5】国分寺「燗酒屋がらーじ」

日本酒を深く楽しむ「燗酒」の名店【5】国分寺「燗酒屋がらーじ」
皮から手作りの「海老ワンタン」530円。花椒がきいたラー油を垂らして | 食楽web

温度帯を変えて楽しめる日本酒は変幻自在の酒である。大人しく平凡と思われた酒が、お燗の名手の手にかかれば一気に別物に変身する。その奇跡を味わいにお燗の名店へいざ!

若き店主のこだわり燗酒店

「お燗酒って、本来なら家で飲むものだと思うんです。だから、店で出すなら家では飲めない燗酒にしなくちゃ」というのは、燗酒屋がらーじの店主・細尾昇平さん。

 基本のお燗は、高温で一気に温め、いったん酒を開かせてから、後は好みの温度に調製するスタイルだ。銘柄によっても加減があり、例えば「竹鶴」などはもっと温度を上げるし、抜栓したての硬い酒は開かせるために思い切ってチロリからチロリへと移し変え、空気を含ませることも。ただし、抜栓直後に飲むことはあまりない。日本酒は常温で保存し、抜栓して飲み頃になるのを待つからだ。

 料理は和洋中となんでもあるが、魚が多い。実は和歌山出身の細尾さんはお父さんが釣り名人。旬の魚を釣っては送ってくれるという。とんだ大物が届けば、たちまち大わらわだが、やはり鮮度のいい天然ものは味が違う。

 オープンして3年。若き店主の燗酒専門店はこれからどう発展するのか、今後の熟成が楽しみだ。

お燗は60~70℃まで酒の温度を一気に上げる。それからお燗器から引き上げ、温度を下げて落ち着かせる
お燗は60~70℃まで酒の温度を一気に上げる。それからお燗器から引き上げ、温度を下げて落ち着かせる

●SHOP INFO

燗酒屋がらーじ

店名:燗酒屋がらーじ

住:東京都国分寺市本町3-8-14浅見ビル1F
TEL:042-329-8081
営:18:00~23:00(LO)日・祝16: 00~21: 30(LO)
休:月曜休
予算/3,000円~ 個室/なし カード/不可

(撮影◎貝塚 隆 文◎岡本ジュン)